スリッページに関する注意点

   前のページ(スプレッドに関する注意点)でも解説したように、問題のあるスプレッド広告はかなり影をひそめました。しかし、まだ別の問題が残っています。それがスリッページ(Slippage)です。

   スリッページという言葉の本来の意味は「滑ること」。ここから生じて、相場では逆指値注文において指定値を超えて約定することを言います。もう少し詳しくご説明しましょう。逆指値注文というのは、「指定値よりも安くなったら売る、高くなったら買う」という注文方法ですから、指定値で約定する以外に、それよりも不利なレートで約定する可能性があります。で、指定値よりも不利なレートで約定した場合、スリッページが発生するとか、その差をスリッページと言ったりするわけです。ただ、業者の中にはメジャーな通貨ペアについては「no-slip」を謳い文句にしているところがありますので、業者によっても対応に差があります。

スリッページの罠

slippageスリッページのもともとの意味は上記のとおりなんですが、日本ではこれが段々と拡大使用されて、今では注文値と約定値で差が生じた場合は全てスリッページと表現されています。まぁそれは良いとして、では、逆指値注文以外にもスリッページは起こりえるのでしょうか。結論から言うと、指値注文では起こりえませんが、成行注文ではゼロではありません。しかし、ちょくちょく起こるようなら、その業者は疑ってかかる必要があります。何か裏で操作している可能性が考えられるからです。

   成行注文はその時の市場価格で約定させる注文方法ですから、基本的には画面に表示されているリアルタイムレートで約定することを期待して注文を出すわけです(オンライン取引の場合ですが)。実際、業者の中には「What You See Is What You Get(見ているとおりに約定する)」をポリシーにしているところもあります。ただ、そういう場合でも、相場は刻々と変化しているので、運悪く注文ボタンを押すコンマ何秒か前でリアルタイムレートが変わるということはありえます。ただまぁ、そうそう運が悪いということはないでしょうから、変動が激しい時を除けば、だいたいは見ているとおりに約定するものです。また、許容できるスリッページの範囲を予め指定できる業者もあります。

スリッページに関する噂

   ところが、レートはそんなに変動しているわけでもないのに、約定値を見ると画面で見ていたレートと違うということがあります。しかも、この現象は特定の業者に偏っているという評判が消えないのです。スプレッドの縮小競争がヒートアップした結果、姑息な手段で利益を確保しようとしているとの見方をする業界関係者もいます。FXに限った話しではありませんが、どんな業者も利益をあげなければ存続できませんから、過度に安売りしている業者には注意が必要なのは、一般論として言えることだと思います。

   金融先物取引業協会でもこうした問題は認識していて、何らかの規制を設ける動きはあるようです。しかし、一番大事なことは、自分の身は自分で守ること。もし、あなたの使っている業者が該当するようなら、一度他の業者と比較してみることをお勧めします。なお、冒頭で指値注文ではスリッページは起こらないと書きました。もし指値注文でも見られるとすれば、その業者とのつきあいは即刻やめるべきでしょうね。(2013/5)

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