安全通貨

安全通貨とは

   安全通貨とは、相対的に保有するリスクが低いと見なされている通貨のことです。こうした通貨は、世界的規模で金融や経済が混乱するような危機が発生した時に買われる傾向があります。その意味で避難通貨とも言われます。英語ではセーフヘブン通貨(Safe-heaven Currency)と呼ばれ、代表的なものとしては円、スイスフラン、ドル、ユーロなどがあります。これらの通貨はなぜ安全通貨と見なされているのか。その理由を簡単に整理します。

   FXをやっている方なら、円が安全通貨と位置付けられていることは初耳ではないと思います。しかし日本が世界最大の財政赤字を抱えていることを考えると、ちょっと不思議な気もします。ただ、財政赤字は国内資産で賄われているので、今のところ為替市場ではあまり問題視されていません。一方で、日本は世界最大の対外純資産を持つ国でもあります。これが一つの要因と考えられています。世界的な規模で危機が起こると、日本の企業が海外資産を売却して円に換えるという連想が働くのです。また、円の流動性が高いことも安全と考えられる理由の一つでしょう。

スイスフラン

   スイスフランも危機が起こると避難先に選ばれる通貨です。その理由として、欧州の中で財政収支が健全であることが挙げられます。また、永世中立国であることから、地政学的リスクの懸念が少ない点も、折にふれて安全通貨とみなされる理由です。

ドル

   一昔前ならドルはラストリゾート(Last Resort)と言われ、安全通貨の代表でした。しかし、米国が債務国へ転落して経済的にも陰りが見えるようになったことから、絶対的存在ではなくなりました。それでもドルは圧倒的な流動性をもっています。衰えたとは言え、いろいろな意味え安全性の高い通貨であることは間違いありません。

ユーロ

   ユーロはドルの対抗馬という面があります。そのため、米国で危機が起こった時に、流動性が高いことから買われることがあります。ただ、近年ではEUの結束が揺らぐなど、安全通貨としての立場は揺らいでいると言えます。

FXと安全通貨の関係

   上記の通貨は安全通貨と見なされていますが、危機が起こった場所や予測される影響などから買われる通貨は違ってきます。例えば、リーマンショックが起こった時は、日本の銀行は比較的健全と考えられ、資金の逃避先に円が選ばれました。この時、円は世界最強の通貨であったと言えます。逆に金融センターを有し痛手が大きいと考えられた英国のポンドは激しく売られました。また、リーマンショックほどの激震でなくとも、株式や債券市場でリスクアペタイトが低下してリスクオフの状態になると、新興国通貨が下落し、ドルに資金が還流するという現象が見られます。新興国通貨とはBRICsVISTAといった新興諸国(エマージング諸国)の通貨をさします。

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