需給ギャップ
需給ギャップとは、一国の経済における供給力と需要との差を意味します。供給力とは製品を作ったりサービスを提供したりする能力。需要とはそれらに対するニーズがどれだけあるかということです。需要が供給力を上回っている場合は「需要超過」、逆の場合は「供給超過」と言います。
例えば、日本国内の自動車に対する需要が500万台とすると、生産能力が550万台あれば10%ほど供給超過ということになります。この場合、政府が景気を刺激して需要を高めるか、メーカーが調整をして生産台数を減らす必要があります。もちろん、需給ギャップは製品やサービスによって異なりますから、経済記事などで需給ギャップと言えば、日本全体をイメージした抽象的な表現として使われます。
需要超過が続くと景気は過熱状態になり、金融引き締めなどの需要抑制策がとられます。例えば自動車ローンの金利が上がると、買い控えが起こります。逆に供給超過が続くと、余剰人員を解雇したり値下げして売ったりするので、失業率の上昇や物価の低下を招き、景気は後退局面に入ります。政府が行う景気政策は、需給ギャップのぶれをコントロールして、なめらかな経済成長を実現することが目的と言えます。