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FXの仕組みFX(外国為替証拠金取引)の仕組みを分かりやすく解説する初心者向け入門講座です。基礎知識はもちろん、重要事項はより詳しく説明しています。初回のこのページではFXの概要全般を解説。FXはリスクのある取引ですから、レバレッジを高くし過ぎたり、生活資金を当てたりして無理をすると「手を出さなければ良かった」という結果になりかねません。でも上手に利用すれば、資産形成のよき手段となります。まずはここでFXの仕組みをしっかり押さえてください。

-----目次-----

   以下は次ページ以降の内容です。基礎知識の中でも重要な事項を詳しく解説します。

  • スワップポイントの仕組み
    FXでは売買差損益のほかに、スワップポイントと呼ばれる金利ベースの損益も発生します。為替差益とのダブル・チャンスが狙えるわけです。FXの仕組みとして欠かすことができないスワップポイントについて説明します。
  • スプレッドの仕組み
    FXは常に売値と買値の両方が提示され、そこにはスプレッドと呼ばれる価格差があります。これは投資家にとっては取引コストに相当します。
  • FXは24時間取引
    FXの大きなメリットの一つは24時間取引だということです。しかし為替市場が見せる表情は時間帯によって異なります。
  • 店頭FXと取引所FXの違い
    FXは店頭FXと取引所FXに分けられます。メリットとデメリットがありますから、取引を始めるにあたってはどちらにするか決めなくてはなりません。
  • カバー取引とは
    店頭FXでは業者が大手の銀行とヘッジ取引を行っています。これをカバー取引と言いますが、業者によっての方法や相手方が異なります。
  • FXのリスク
    FXの危険性は為替相場のリスクだけではなく、大小様々なリスクが潜んでいます。一度は目を通しておきましょう。
  • FXのメリット・デメリット
    他の相場商品等と比較しながらFXの長所と短所を解説します。
  • FXと日経225先物取引の比較
    FXと日経225先物取引の違いを比較します。
  • FX初心者の心得
    FXを始めるに当たって初心者が留意すべき点を解説します。
  • FXで損する人の特徴
    FXで損をする人の特徴を列挙しています。
  • 通貨名&通貨コード
    FXでは銘柄に相当する通貨名と通貨コードの一覧表です。
  • FX業者の選択基準
    業者選びで失敗しないためのチェックポイントをご案内します。
  • FXの苦情相談窓口
    FXで困ったことがあった時の苦情や相談の窓口一覧です。

FXの基本的な仕組み

1.FXとは

   FXは為替相場を対象としたハイリスク・ハイリターン型の取引です。うまくいけば運用資金を大きく増やすことができますが、失敗すれば元も子もなくなるどころか、運用資金以上の損失を被る可能性もあります。それは、差し入れた取引証拠金の何十倍もの金額の取引が可能だからです(個人は最大で25倍。法人は特に制限はありません)。

   自己資金よりも大きな額を取引できるという点では、FXは株価指数の先物取引や商品先物取引と同じ仲間です。それらと比べた場合の特徴は、24時間取引だということと、スワップポイントという短期金利に連動した調整金の受け払いが発生すること。また、世界各国の通貨が運用対象となるので、グローバルな経済の動向が分かるようになります。

2.FXの目的

   FXは、米ドルユーロなどの通貨を売ったり買ったりして、キャピタル・ゲインを狙う取引です。スワップポイントを狙うスタイルもありますが(関連語:スワップ狙い)、相場変動による損益のほうが大きいので、”おまけ”くらいに考えておくべきです。スワップポイントに関心がいくと相場を見誤って、結局収支はマイナスということになりかねません。なお、通貨を売買すると言っても、実物の通貨を手元に引き取ったり渡したりすることはなく、普通は買値と売値の差だけを決済して取引を終了します。これを差金決済方式といいます。

   『為替相場や外国の経済はよく分からないけど大丈夫?』『リスクの高い金融商品はやったことがないんだけど…』そんな不安や疑問を感じられる方も多いと思いますが、しっかり利益を上げている人もはじめは初心者だったのです。FX総研では、初級から上級まで、FXのノウハウを全て無料で公開しています。

為替相場について

   FXでは、通貨が安い時に買って、高い時に転売すれば利益を得ることができます。あるいは、高いときに売りから入って、安くなったところで買い戻せば利益になります。

『安いとか高いとか、通貨にも値段があるということ?』
『そのとうりです。ただ通貨の価値は、絶対的な価値ではなく、二つの通貨の相対的な価値になります。それが為替相場です。』

   株式の場合だと、「ABC商事の株は今○○円だ」などと、絶対的な価値で計られますよね。ゆえに、会社が倒産して株券が無価値になることもあるわけです。しかし「ドル/円は今○○円だ」と言った場合の意味は、『1ドルの価値を円で評価すると今○○円だ』ということです。相対的な価値ですから、無価値になってしまうということはありません。また、どちらか一方に相場の変動要因が浮上すれば、レートは動くわけです。

   普通、日本では円を基準にして円高・円安という言い方をします。しかしFXでは、外国通貨のほうを基準にします。つまりドル/円の場合だったら、ドル高・ドル安と見るわけです。

ドル/円の値動きの例

   簡単な例を見てみましょう。所定の取引証拠金を業者に預けて、1万ドルを買う取引を始めたとしましょう。手数料はゼロと仮定します。この時のレートを1ドル=110円とすると、取引の開始時点では110万円相当のドルを買ったことになります。その後、ドルが115円に値上がりした場合、1万ドルは115万円の価値に上がります。ここで売却すると5万円の利益が出ることになります。逆に、ドルが105円に値下がりした場合、1万ドルは105万円の価値に下がりますから、売却すると5万円の損失が出ることになります。

通貨ペアについて

   為替の世界では、「ドル/円」「ユーロ/円」など、通貨ペアの左側が評価対象の通貨になりますので、左側の通貨が上がる・下がるというとらえ方をして下さい。なお、どの通貨が左側に来るかは慣習的に決まっています。円がらみだと、外国通貨が左側で円が右側になります。ドル、ユーロ、ポンドといった通貨を株式のように一つの銘柄と見立てて、上がる・下がると考えると分かりやすいでしょう。

●通貨ペアの例●

円ペア 通貨コード ドルペア 通貨コード
ドル/円 USD/JPY
ユーロ/円 EUR/JPY ユーロ/ドル EUR/USD
英ポンド/円 GBP/JPY 英ポンド/ドル GBP/USD
スイスフラン/円 CHF/JPY ドル/スイスフラン USD/CHF
豪ドル/円 AUD/JPY 豪ドル/ドル AUD/USD
NZドル/円 NZD/JPY NZドル/ドル NZD/USD
カナダドル/円 CAD/JPY ドル/カナダドル USD/CAD

差金決済の仕組み

   FXは、売り買いの開始時と終了時の差額を清算して取引を終了します。この差額は当事者の一方では利益、もう一方では損となるもので、差損益金といったります。このように、金銭のやり取りだけで取引を終了する仕組みを差金決済方式といいます。業者の中には、実際に通貨を受けたり渡したりする現物決済(受け渡し決済)を可能としているところもありますが、ほとんどの業者は差金決済しかできません。この差金決済の仕組みによって、FXは買いからでも売りからでも取引を始めることができます。

   例えば、ドル安円高になると予想しているとしましょう。その場合は、ドル売り円買いの注文を出しますが、実際に現金でドルを用意する必要はありません。ドル高円安になると予想してドルの買い注文を出す場合も、ドルを引き取る必要はありません。決済して取引を終了したい場合は、反対売買を行えばOKです。そして、差損益金を精算して取引が終了します。なお、差損益金は証拠金に足したり証拠金から引いて精算します。

証拠金取引の仕組み

   FXは証拠金取引です。証拠金取引というのは、一定の取引証拠金を業者に預託すれば、その何倍・何十倍もの金額を売買することが可能となる取引です。株式の信用取引先物取引もこの仲間ですね。例えば、A社はドル/円の取引単位を1万ドル、証拠金を4万円に設定しているとします。仮に1ドル=100円とすると、取引単位あたりの取引額は100万円(1万ドル×100円)ですから、4万円の証拠金を積んで100万円の価値のものに投資することになります。この場合、証拠金率は4%で、取引倍率(レバレッジ)は25倍になります。投資効率は極めて高いですが、それだけ危険(リスク)も大きくなります。

   ただし、1万ドルの取引を行うのに、証拠金は4万円でなくてはいけないということはありません。10万円でも20万円でも、多いぶんにはOKです。実際、FX総研ではあまりレバレッジを高くすることはお勧めしません。オーバーナイト取引なら、通常は3倍から5倍程度に押さえるべきでしょう。もちろん、相場の流れやポジション・マネジメントによっては10倍を超えるケースも出てきますが、基本はそれくらいです。

証拠金取引

1.証拠金の定額制と定率制

上のA社の例では、証拠金が定額で固定されていますが、比率のほうを固定させて、額は変動させる方式を採用している業者もあります(今ではこちらの方が大多数です)。例えば、B社はすべての通貨ペアで証拠金率を4%としているとしましょう。1ドル=100円の時点では、A社もB社も1万ドルあたりの証拠金は4万円ですが、もし相場が1ドル=110円になった場合、B社の証拠金は4万4千円になるわけです。1ドル=90円なら、3万6千円ですみます。

A社方式だと、証拠金がきりの良い数字で固定されているので馴染みやすいですが、通貨ペアの種類によって金額は異なってきますから、覚えにくいという面はあります。相場の居所によって、取引倍率も変わってしまいます。B社方式だと、証拠金の額は常に変動しますが、取引額に対する比率は通貨ペアを問わず常に一定なので、リスク管理という点ではやりやすいですね。A社方式もB社方式も一長一短ですし、業者を選ぶ際の最重要項目というわけでもありませんが、B社方式のほうが理屈にはかなっていると言えるでしょう。

  • B社方式でも通貨ペアが多い業者では、メジャーな通貨ペアは4%、マイナーな通貨ペアは8%という具合に、何種類かのパターンを設定している場合もあります。

2.建玉証拠金と維持証拠金

   取引証拠金については、建玉証拠金と維持証拠金を分けて設定している業者もあります。建玉証拠金とは新規に注文を出すときに必要な証拠金、維持証拠金とは、この後で説明する自動ロスカットに掛からずに建玉を維持するのに最低限必要な証拠金です。

   例えば、ドル/円の建玉証拠金を6万円、維持証拠金を4万円としている場合、新規にこの注文を出すには、少なくとも6万円の証拠金が必要です。しかし、相場が逆行して損失をかかえても、証拠金の時価評価が4万円を切らない限りは建玉を維持できます。建玉証拠金と維持証拠金を分けない場合は、維持証拠金だけが設定されます。証拠金にどれだけ余裕を持たせるかは、自己判断というわけです。

3.証拠金には余裕を持たせよう

   上の例では、1万ドルあたり証拠金が4万円または4%という話しをしましたが、これは最低限預けなくてはいけない証拠金を意味します。一般の投資家が、預けた証拠金を目いっぱい使って取引を行うということはあまりありません。

   例えば、A社に40万円を預けている場合、ドル/円なら最大で10単位の取引を行うことが理屈では可能です。つまり、1ドル=100円とした場合、40万円の元手で1千万円(1万ドル×100円×10単位)の取引を行うことになるわけです。なんとハイリスク・ハイリターンな取引でしょうか!。とても一般の方にお勧めできるものではありません。初心者の方なら、3倍〜5倍程度の取引倍率にとどめておくべきですし、ある程度経験を積んだ中級者の方でも、10倍程度がいいところです。資金に余裕を持たせることは、相場で勝つために絶対に必要な条件だからです。ただ、腕におぼえのある方が、一日の内で何十回もの取引を繰り返すようなスキャルピングを行う場合は、高いレバレッジを活用したいところです。

自動ロスカットの仕組み

   FXでは、自動ロスカット(自動ストップロスとも言います)という仕組みがあります。これは、取引で発生した損失(ロス)が一定の水準に達した場合、自動的・強制的に建玉を決済するというルールです。証券や商品の先物取引では見られない、FXの大きな特徴です。もともと、FXが日本に登場する前から、欧米では導入されていたので、日本でも自然に広がりました。そして2009年からは法令で採用が義務付けられたのです。

   自動ロスカット制度が導入されていない証券や商品の先物取引には、代わりに追証という制度というのがあります。損をしていても、資金を追加すれば建玉はいくらでも維持できるというものです。これは、取引が夕方には終了し、翌営業日の朝まで取引所が閉まってしまうという事情だからなんでしょうね。FXの場合は24時間取引ですから、追証の入金を待っていては、損失がどんどん膨らんでしまう可能性があります。それで、自動ロスカットという仕組みが導入されたわけです。

自動ロスカット

1.自動ロスカットの長所・短所

   この自動ロスカットは、業者側のリスくを軽減することがそもそもの目的ですが、顧客側にとっても良いルールです。追証制度はなまじ建玉が維持できるために、ずるずると曲玉(まがりぎょく)を抱いてしまうことが往々にしてあります。精神的につらいことこの上ありません。追証地獄というやつです。

   FXも、先回りして資金を追加しておけば、自動ロスカットは回避できます。ただ、「明日の午前中までに送金しなければ!」という切迫感がないので、そのあたりの判断は比較的(あくまで比較的ですけど)冷静にできるわけです。ただ、自動ロスカットにも短所はあります。相場が急変してロスカットに掛かり、そのあとで相場が戻ってしまうというケース。これはもう、仕方がないことと諦めるほかはありませんね。

2.維持証拠金と建玉証拠金

自動ロスカットについては、建玉証拠金と維持証拠金という概念を理解しておく必要があります。これは、実際に取引を行う際、リスク・コントロールと関係するとても重要なことなので、しっかり頭に入れておきましょう。まず、最初に建玉する際に最低限必要な証拠金を建玉証拠金と言います。狭義の意味での証拠金は建玉証拠金をさします。A社の例で言えば2万円ですね。次に維持証拠金は、自動ロスカットが作動しないで、建玉を維持するために最低限必要な証拠金のことです。名前を覚える必要はないのですが、建玉に際して必要な証拠金と、その後に建玉を維持する証拠金は別だということは憶えましょう。

   では、簡単な例を考えてみます。A社では、ドル/円1単位(1万ドル)の建玉証拠金を2万円としています。さらにA社は、維持証拠金を1万円に設定しているとしましょう。もし取引で損失が出ても、建玉あたり1万円以上の証拠金が残っていれば、この建玉は維持されます。逆に1万円を割ってしまうと、自動ロスカットが作動します(細かいルールは業者によって異なりますが)。

3.自動ロスカットのバッファー

   ここで注意していただきたいのは、建玉証拠金が2万円、維持証拠金はその半分の1万円だから、「最初の証拠金が半分になったら強制的に決済されるんだな」と勘違いされる方が多いことです。確かに、2万円ぽっきりで取引を開始した場合はそうなんですが、仮に3万円で取引を開始した場合はどうでしょう。つまり、多めに証拠金を入れて取引を始めるわけです(普通はそうなんですよね)。

   この場合は、2万円損してもまだ大丈夫です(損しているから全然大丈夫じゃないんですが、自動ロスカットが作動しないという意味で)。あくまで、証拠金の残りが1万円になるまではセーフなのです。極端な話し、100万円の証拠金を入れて1単位の取引を行うのであれば、99万円までの損なら自動ロスカットは作動しないわけです。業者の中には、「自動ロスカットの水準は証拠金の○%です」的な表現をしている場合がありますが、誤解を生じやすいので、事前に確認したほうが良いですね。

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