スプレッドの仕組み

   FXの特徴の一つに、取引値(クォート)が二つ同時に提示されるということがあります。二つというのは売値と買値のことで、このような方式を2ウェイプライスと言います。為替取引のおおもとであるインターバンク市場相対取引であり、この方式で取引が行われているためです。逆に、為替取引には基本的に注文の一覧表である『』がありません。そうしたことから、FXでは業者も2ウェイプライス方式でレートの提示を行います。

スプレッド

   お客様から見た売値をビッド、買値をオファー(またはアスク)と言います。そして、ビッドとオファーにはスプレッドと呼ばれる価格差があり、常にビッドのほうがアスクよりも低くなります。スプレッドは為替相場の変動率(ボラティリティ)が激しくなったり、流動性が低下した場合などは、平常時に比べて広がります。これは取引のリスクが高くなっていることを、インターバンク市場が反映するからです。

   なお、レートを提示する際の最小単位をピップといいます。上の例では1銭が1ピップに相当しますが、業者によっては0.1銭を1ピップとしている場合もあります。

スプレッドの変化

   インターバンク市場におけるドル/円のスプレッドは、平常時なら0.1銭〜0.8銭程度です。幅があるのは、時間帯と取引量で差が出てくるから。通常、為替取引はロンドン市場が最も活発になるので、この時間帯のスプレッドは東京市場などよりも狭くなる傾向にあります(参考記事:為替市場の時間帯)。また、取引量が大きくなるに連れてスプレッドは開く傾向にあります。ただしこれは、想定元本が何億円とか何十億円にもなるような注文の場合なので、一般の投資家にはあまり影響はありませんが。

   インターバンクのレートは業者にとって仕入れ値に当りますので、そのレートに自社の利潤を乗せて顧客に提示します。FXが日本に導入された頃は、両サイト(ビッドサイドとアスクサイド)に2銭程度ずつ乗せて、スプレッドは5銭〜7銭が普通でした。その後、業者の競争が激しくなり、ドル/円のスプレッドは卸値に限りなく接近してきています。

株式相場のスプレッド

   株式取引を経験されたことがある方は、「株にはスプレッドはないのにFXにはなぜスプレッドがあるんだ?」と疑問に思われるかもしれません。しかしこれは誤解で、株式取引にもスプレッドはあります。ただ、株の場合は直近の約定値だけが表示され、2ウェイプライス方式ではないというだけのことです。もし取引時間中の板を見ることができれば、売値と買値には差があることが分かるはずです。そもそも、FXの場合はマーケットメーカーが売値と買値を提示し、株の場合は投資家どうしの注文が集うという仕組みの違いから、プライスの提示方法が異なっているわけです。

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