2ウェイプライス

   2ウェイプライス(Two-Way Price。蛇足ですがTwo-Wayで形容詞なのでWayもPriceも単数形)とは、売値と買値を同時に提示する取引手法のことを言います。これは、取引所取引(参考記事:相対取引と取引所取引)では見られない手法です。例えば通常の株式取引のように、注文を取引所へ一堂に集める取引所取引では、売り注文と買い注文をマッチングさせるという取引手法が取られます。ここでは、不特定多数の顧客が売値か買値のどちらか一方を提示して取引に参加します。

2ウェイプライス

   では、2ウェイプライスを採用するのはどういう取引かというと、1対1で行われる相対(あいたい)取引の場合です。その典型はインターバンク市場で行われている為替取引。相対取引では、基本的には取引相手と交渉して取引条件を決めることが可能です。しかし、いちいち交渉していては手間がかかって、俊敏性が求められる為替取引では現実的ではありません。そのため、取引のルールをシンプルにしていて、2ウェイプライスはその一つとして定着しているのです。取引のイメージはこんな感じです。

  「ドル円を100万ドル希望。お宅の出し値はいくら?」
  「02-03だよ(言わなくても分かるので大台の数値は省略します)」
  「じゃぁ買った(または売った)」

   打診する側は取引数量だけ提示して、売り希望か買い希望かは言いません。それを言ったら、相手は割高なレートを言ってくるかもしれないからです。打診された側は、売値と買値の両方を提示することがルール。二つのプライスにはスプレッドと呼ばれる値差があります。「じゃぁ買った」と言った時点で、ドル円の100万ドルの取引が成立します。

   FXも相対取引ですので、2ウェイプライスが採用されているわけです。なお、店頭FXの場合、取引相手は業者であり、くりっく365(参考記事:店頭FXと取引所FX)では取引所と契約しているマーケットメーカーという違いはありますが、どちらも相対取引であるという点は共通しています。

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