板(いた)
板とは
相場の世界でいう板(いた)とは、市場に出ている指値(逆指値)注文を集計した表です。株式や商品先物取引などの取引所取引は、売り注文と買い注文を一堂に集めます。その注文状況を集計したものが板なのです。イメージは下図のように値段の左右に売り希望と買い希望の数量が掲載されています。
板情報の見方
上図では、100.0円以下に買い希望が、100.1円以上に売り希望の注文が並んでいます。まずこの板からは、次の情報が読み取れます。一つは、見えてる範囲では、買い希望の数量の方が多いこと。もう一つは、99.8円に厚い買い希望があること。これを見た投資家は、状況に変化がなければ、この先値段が上がる可能性が高いと感じるでしょう。
次にこの板がどう変化するかについて。この状態のままでは取引は成立しないわけですが、仮にここへ10枚の成行買い注文が入ると、それは100.1円で成立します。その瞬間に板の表示は、100.1円での売り希望の数量が56から46に変わります。そうやって板情報は刻々と変わっていくのです。
板情報の悪用
以前であれば、板情報は一般の方には公開されないものでしたが、近年インターネット取引が発達したことにより、見られるようになりました。値段ごとに出されている注文数量が分かるので、非常に重要な情報と言えます。ただ、この板情報を悪用するケースもあります。例えば、執行する気のない大量の買い注文をわざと見せておいて、いかにも下値が固そうに装うなどのやり口です。最近は取引所もこうした不透明な注文には神経を尖らせており、難しくなっていますが。
FXの板
FXでは基本的に板はありません。というのも、板は株式や先物などで採用されているオークション方式(多数の参加者が一同に集まって競う方式)の取引に固有なものだからです。FXの原市場であるインターバンク市場は相対取引であり2ウェイプライスを採用しているます(参考記事:相対取引と取引所取引)。このため、基本的に板というものは存在しません。
ただ、インターバンク市場でも近年ではEBSという電子取引システムが普及し、そこでは板情報があります。一般投資家は見ることができませんが、一部の業者では自社のカバー取引先が提示する売り買いの値段を、疑似的な板情報として公開するケースがあるようです。詳しくはECNとSTPをご覧ください。