9)カバー取引とは

店頭FXとカバー取引

   前のページ(店頭FXと取引所FX)では、FXは相対取引であるということを解説しました。FXの主流となっている店頭FXでは、顧客と業者の1対1の取引となります。しかし、そのままでは顧客の利益は業者の損失、顧客の損失は業者の利益となり、利益相反の関係になってしまいます。相場が顧客にとって有利に動けば顧客は儲かりますが、業者にとっては逆行となり損失を被ります。手数料収益など消し飛んでしまいます。

   そこで、業者はその危険をヘッジするため、自らは銀行等と取引を行います。例えば、顧客からドル/円の買い注文を受けた場合、それと同じ数量、同じレートで銀行と取引を行えば、業者は為替相場のリスクから開放されます。これをカバー取引といいます。また、カバー取引を行う相手方をリクイディティ・プロバイダーと言います。FX業者に取引口座を開設する際に交付される書面では、カバー取引の相手方を明示することが法令で定められています。

業者は必ずカバーする?

カバー取引FX業者が顧客から受けた注文を全てカバーしているかというと、これは業者によって様々です(取引所FXでは全てカバーされています)。取引システムのしくみ自体で、顧客注文とカバー注文をセットにしていて、100%自動カバーを行っている業者もあれば、間にディーラーが入って、注文状況や相場を見ながらカバーを行っている業者もいます。後者は相場のリスクを負うことになりますが、そこに収益機会を求めていこうという考え方なのです。より詳しい説明については「NDD方式とDD方式」「AブックとBブック」をご参照ください。

カバー取引の相手方

   FX業者のカバー取引相手方となるのは、銀行や証券会社などです。ただこれも、上は世界的な大手銀行から下は中小の証券会社までさまざまです。大手銀行の場合は直接インターバンク市場に参加していますが、中小の金融機関は直接参加できないので、そうした大手銀行につなぐことになります。言うなれば中間卸問屋のような位置づけです。FX業者を選ぶ際は、カバー取引の相手方も重要なポイントです。

業者は登録制

   FXは、金融商品取引法の対象商品です。業者(証券会社やFX専門業者)は金融庁への登録が義務付けられており、営業活動や内部管理体制を法令で厳しく規制されています。ただ、免許制ではなく、要件を満たしていれば原則として登録することは可能です。登録業者だからと言って、安心できるとは限りません。業者を選択する際には自己資本規制比率などで安全性を確認することが重要です。

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