FXと日経225先物取引の比較

   このページでは、一般投資家にとっても身近な金融派生商品であるFXと株式指数先物取引の225先物を比較します。どちらも証拠金取引であり、差金決済方式を採用している点は同じですが、商品の仕様には異なる点もいろいろありますので、そうした点を分かりやすく整理しています。

取引時間

   FXと225先物で最も違うのは取引時間です。FXは月曜の朝から土曜の朝まで、原則として24時間ノンストップで取引ができます(業者によって若干違いがあります)。就寝前の数時間でデイトレードを行うなんていうことも可能です。実はロンドンとニューヨークの取引が重なるこの時間帯は値動きが最も活発なのです。一方、225先物の取引時間は一日4時間半に限られ、ちょっと不便です。

   また、このことは価格の不連続性という大きなリスクを生むことになります。225先物では、前日の終値と大きく離れた価格で寄り付くことがしばしばあります。海外市場の動向に影響されるためです。極端な話し、ニューヨーク市場が暴落すれば、たとえロスカット注文を入れていたとしても、もっと悪い価格で寄り付く危険性があります。この点、為替は24時間ノンストップですから、たとえ暴落などの事態が発生したとしても、メジャー通貨である限り、ロスカット注文は指定した水準でだいたい成約できます。暴落といった極端なことが起こらなくても、取引が連続していないということは、不便というほかに、リスクとなってユーザーにはね返ってきます。

選択肢の数

   FXの対象は通貨ですが、二つの通貨をペアにして取引を行います。ドル/円とか、ユーロ/ドルといった具合です。その数は業者によって異なり、少ないところでは10ペア以下ですが、多いところでは100ペアを超えます。しかし、取引量が少ないマイナーな通貨は避けたほうが無難です。決済したいときに決済できないなど、メジャー通貨よりもさらにリスクが高いからです。メジャー通貨と言われるものは7〜8種類程度で、それらを組み合わせて銘柄を選択します。

   これに対し、225先物は1銘柄しかなく、選択肢が極端に限られます。FXなら、「この通貨ペアはトレンドが出ている」「この通貨ペアは動きが軽い」ということがありますが、225先物は株式市場が停滞してしまうと様子見に徹するしかありません。

流動性と透明性

   為替取引の中心であるインターバンク市場は、世界に数ある金融市場の中でも桁違いの売買高をほこり(米国債市場よりも多いのです!)、流動性という点では最高の市場です(マイナー通貨は別です)。225先物も、個人投資家クラスの注文数量であれば、まったく問題なく消化してくれます。その点は特に優劣はないと思いますが、225先物は時として特定の参加者(外国証券等)の大口注文によっていびつな動きを示すことがあります。為替市場でもそういうことがまったくないわけではありませんが、世界中から様々な参加者を集める為替市場のほうが、より透明性は高いと言えるでしょう。

取引方針

   FXでは二つの通貨のペアが投資対象ですから、常に一方を売って一方を買う取引になります。相対的にどちらが強いかを考えるわけで、言ってみれば、常に上がりそうな通貨を探せばよいわけです。これに対し、225先物では株価自体が上がるか下がるかですから、相場が下げているときは「売り」で儲けるしかありません。売りから入るのは苦手という方には、FXのほうが合うかもしれません。

収益源

   FXでは、相場収益の他にスワップポイントという確定収益が得られます(ただし受け取りの場合。スワップポイントは支払いとなる場合もあります)。うまくいけば、相場収益とスワップポイントのダブルで収益が得られたり、相場の損をある程度スワップポイントでカバーできることもあります。これに対して、225先物の場合は、相場の収益だけになります。

自動ロスカット

   FXでは自動ストップロスが採用されているため、損失の拡大に一定の歯止めをかける仕組みがあります。相場では負けがこんでくると冷静さを欠くようになり、曲がり玉(損になっている建玉)を抱え込んで損失がどんどん拡大してしまうことがあります。225先物も追証を入れなければロスカットされますが、リアルタイムでの処理ではないため、損失が拡大してしまう危険があります。なお、FXも証拠金を厚くしておけば自動ロスカットにかかる事態は避けられます。

取引期限

   FXは基本的に取引の期限がないため、半年でも1年でも建玉を保有していることができます。これに対して先物取引は限月制を採用しているため、最長でも数ヶ月程度となります。それ以上建玉を保持したい場合は、先の限月に乗り換えていかなくてはなりません。これは案外面倒ですし、期近ものの取引期限が迫ってくると、新規の取引は手控えたくなるものです。

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