先物取引

先物取引の基本

   先物取引(Futures)とは、将来の一定日に一定の価格で決済を行うことを約束する取引のことです。例えば4月1日の時点で、3ヶ月後の価格と数量を決めて取引をいったん成立させます。このとき、買った側はまだ代金を支払わなくてよいのですが、取引を仲介する取引所に対して取引証拠金を差し入れます。売った側も品物を用意する必要がない代わりに、やはり取引証拠金を差し入れます。これは、取引がまちがいなく履行されるための担保の役割を果たします。なお、先物取引は取引所取引ですので、取引の相手方は特定されません。はじめから相手が分かっている現物の取引とはその点も異なります。

   その後3ヶ月が経過したら、品物と代金を交換して取引は終了します。これも取引所が仲介をします。ただし先物取引では、このように品物と代金を交換することは実はほとんどありません。大半は差金決済方式で取引を結了させます。決済期日が到来する前に、売り方であれば買い戻して、買い方であれば転売して、売値と買値の差額だけを清算して取引を結了させるのです。

   以上が先物取引の基本的なしくみですが、少し補足が必要です。まず、売買の対象となる品物は、標準品があらかじめ決まっています。もし品物の受け渡しを選択した場合(これを現物決済といいます)は、標準品以外は原則として認められません。また、将来の一定時期というのもあらかじめ決められていて、これを限月制といいます。例えば、6月末日、9月末日、12月末日といった具合にです。

  • もともと先物取引では、品物の受け渡しは主たる目的ではありません。では何が目的かというと、それはヘッジです。将来の価格変動に対する保険という意味です。例えば、ある鉱山会社は3ヶ月後に1sの金(ゴールド)を製品化して得意先に時価で売却する予定だとします。もし3ヶ月の間に金の値段が下がってしまうと利益を失ってしまうので、先物で売っておきます。すると、その時点で利潤を確定することができるわけです。一方、3ヶ月後に値段が上がっていたら、手にすることができたはずの利益を逃すことになります。ただこの会社は、そうした可能性よりも値下がりのリスクを恐れて、先物を利用したわけです。製品化された金は得意先の売却しますから、先物取引のほうはどこかのタイミングで差金決済します。

金融先物取引

   先物取引が始まったころは農産物や鉱業品が対象でしたが、今では株式、債券、通貨などの金融商品にも拡大しています。これらは金融先物取引といわれ、個人投資家も含めて盛んに取引が行われています。ただ、株式の場合は個別株ではなく株価指数が対象になります。ですから、現物決済はそもそも前提にされておらず、差金決済だけになります。もし期日まで反対売買しなかった場合は、清算価格で自動的に差金決済されます(参考記事:株価指数先物)。

先物取引とFX

   最後にFXとの相違にふれておきましょう。先物取引もFXも証拠金取引であり、レバレッジの効いた信用取引であることは同じです。ただし、先物取引は限月制であるのに対して、FXはスポット取引の契約を繰り延べていく方式(スポット・ロールオーバー方式)です。また、FXは基本的には取引所取引ではなく、相対取引に分類される取引です(参考記事:相対取引と取引所取引)。なお、IMMには通貨の先物が上場されています。

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