株価指数先物
株価指数先物とは、日経平均株価のような株価指数を対象とした先物取引です。指数を取引するため現物株の受け渡しはなく、取引の結了は差金決済方式に限られます。また、先物取引ですので、レバレッジの効いた証拠金取引です。日本では日経平均先物、ミニ日経平均先物、TOPIX(東証株価指数)先物などが上場されています。それぞれの基本的な取引仕様は以下のとおりです。
日経平均先物 | ミニ日経平均先物 | TOPIX先物 | |
取引単位 | 1,000倍 | 100倍 | 10,000倍 |
限月 | 3ヶ月ごと | 1ヶ月ごと | 3ヶ月ごと |
取引参加者は機関投資家や証券会社などプロが中心ですが、ミニ日経平均先物は個人が出来高の2割程度を占めています。また、日経平均先物はシカゴマーカンタイル取引所とシンガポール取引所にも上場されています。
株価指数先物と裁定取引
株価指数先物はスペキュレーション(投機的な思惑取引)とヘッジ(リスク回避のための保険つなぎ)のほかに、アービトラージ(裁定取引)という使い方があります。アービトラージとは、価格が連動する二つの商品の一時的なひずみを狙った取引です。具体的には、株価指数先物とその原資産である現物株バスケット(日経平均の場合は225銘柄)との間で行います。
株価指数先物には理論価格があります。これは、現物株価、満期までの期間、配当利回り、短期金利などから計算します。配当利回りが高いと理論価格の押し下げ要因になります。先物は配当が得られないためです。一方、短期金利が高いと理論価格を押し上げます。
先物はおおむね理論価格の近辺で取引されますが、ずれが生じることもあります。先物が理論価格よりも高くなったときに、先物を売って現物を買います。そして、理論価格と先物の市場価格のずれが解消された時点で反対売買を行えば、利益を確定することができます。なかなか解消されない場合もありますが、満期日には現物価格と先物価格は一致するしくみになっています。満期日に残っている建玉を決済するために算出されるSQ値(特別清算指数)は、当日の現物価格に基づいて算出されるからです。