信用取引
信用取引とは
信用取引は、広い意味では商取引全般において、取引相手を信用して掛けで取引を行うことです。モノの受け渡しが先行し、代金の支払いは後回しでOKという取引形態。クレジットカードなどもその一種です。
では、金融取引における信用取引はというと、基本的に差金決済方式を前提とした取引になります。差金決済というのは、取引開始時と決済時の値差を清算して取引を完了する方式です。そのため、取引は帳簿上で管理され、金融商品の受け渡しは伴いません。そして、この差金決済がきちんと行われるための担保として、取引証拠金を差し入れて取引を行います。金融取引において信用取引と言えば、株式の信用取引を思い起こしますが、証拠金取引であるFXやCFDも信用取引の一種であるわけです。
なお、金融商品の信用取引においては、差金決済だけでなく実際に金融商品の受け渡しを選択できるものもあります。株式の信用取引がそうです。この場合は、受け渡しの意思表示を行ったうえ、総代金を支払います。FXでも、通貨の受け渡しを選択できる業者が少数ながら存在します。
信用取引の利用目的
信用取引という仕組みは、主に二つの使い方があります。一つはヘッジを目的とした取引。例えば、現物株式を大量に保有している投資家が、短期的には相場が値下がりすると予想した場合、信用で売って値下がりによる損失を補填するわけです。そして、再び値が上がりそうになったら差金決済を行って信用取引を解消します。
もう一つは、純粋に投機を目的とした取引。信用取引は証拠金取引という仕組みから、レバレッジをかけることが可能ですし、上げ相場だけでなく下げ相場でもチャンスがあります。このため、より積極的に売買益を狙っていくことが可能です。ただし、そこにはリスクもありますので、十分に注意が必要です。