ブレクジット

ブレクジットとは

   ブレクジット(Brexit)はイギリスのEU(欧州連合)離脱を指す造語で、Britain(イギリス)とExit(外に出る)を掛け合わせたものです。2012年にギリシャがEU離脱の危機に直面した際、グレグジット(Grexit)という造語が作られましたが、ブレクジットはこれにならったものです。

ブレクジットの背景

   イギリス国民の間でEU離脱を望む声が強まったのは、2008年のリーマンショック以後です。不景気による失業者があふれる中、東ヨーロッパからの移民が仕事を奪っているという不満が高まりました。EUに加盟している限り、移民の流入を独自に制限することはできません。EU城内では、人の移動は自由だからです。また、シリア内戦の長期化による難民対策や高額なEU分担金も不満に輪をかけました。そうした社会情勢の中で、イギリスでは2015年5月に議会選挙が行われました。当時首相だったキャメロンは、ブレクジットを問う国民投票の実施を公約して選挙を戦いました。まさにブレクジットを争点にした議会選挙でした。

国民投票

   結果、この選挙ではキャメロン率いる与党の保守党が勝利しました。そして公約に従い、2016年6月23日に国民投票が実施されたのです。これは41年ぶりのことで、前回の国民投票もEC(EUの前身)離脱を問うものでしたが、この時は67.2%で残留派が勝利しました。しかし今回は、政府の目論見に反し、離脱派が52%を獲得して勝利しました。キャメロン首相はこの結果を受けて辞任し、内相だったテリーザ・メイが首相となりました。

ポンド相場への影響

   下図はポンドの対ドル相場の長期チャートです。1992年のポンド危機や2008年のリーマンショックでポンドが売り込まれた時も、1.40ドル付近が下値抵抗線となっていました。2014年には一時1.7ドル台まで戻しましたが、そこから風向きが変わります。まずはスコットランドで独立機運が強まったのです。2014年9月に行われた住民投票ではかろうじて残留派が勝利しますが、今度はブレクジット問題が起こります。そして国民投票の結果を受けてポンドは下落、翌年2月には一時的でしたが1.20ドルを割り込み、31年ぶりの安値をつけました。この記事を書いている2018年12月時点では、合意なき離脱が現実味を増しつつあります。もしそうなったら、史上最安値に挑戦する可能性がありそうです。

ポンドドル長期チャート

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