金利平価説
金利平価説(Theory of Interest Parity)とは、為替相場の将来的価値を求める理論です。簡単に言うと、資産をドルで保有しても円で保有しても収益は同じになるように、将来のドル円相場は調整されるという考え方です。この考え方はあくまで現時点の為替相場を基準として、将来の論理的な為替相場を導くものです。ですから、購買力平価説のように、現在の為替相場が割高なのか割安なのかを判断することはできません。
では、金利平価説の考え方をごく単純化してご説明します。今、ドルの金利(名目年利)が3%、円が1%だとします。もし円を保有している人がドルに替えて預金すれば、リスクなしで2%のさやを抜くことができます(両替手数料などは考慮しないこととします)。しかしそこでは裁定が働くので、1年後の為替相場は2%の円高になっているはずだと考えるわけです。つまりそのまま円で預金してもドルで預金しても収益結果は同じになるということです。しかし現実の世界では、為替相場は様々な要因で動くので、その通りになるわけではありません。ただ、輸出業者が為替予約を行う際には、金利平価説の考えに基づいて将来のレートが決定されています。