パリバショック

   パリバショックはサブプライム問題がクローズアップされるきっかけとなった事件です。2007年8月、仏大手銀行のBNPパリバ(BNP Paribas)が、同行傘下のミューチュアル・ファンドの新規募集と解約を凍結すると発表しました。投資家が解約を請求しても応じないというわけです。原因は、投資していた証券化商品の価格が下落し、ファンドの資産が大きく穀損したことでした。

   パリバショックに先立つ同年4月には、サブプライムローン提供会社としては米業界第2位のニューセンチュリー・ファイナンシャルが破産していました。7月にはベアー・スターンズ(米証券5位)傘下のヘッジファンドが事実上破綻。ここにいたってようやく、市場はことの重大さに気づき始めていました。そこに伝えられたのがパリバショックです。

   このニュースを受けて金融市場では信用不安が台頭し、為替相場も急変動に見舞われます。1週間でドル円は約10円、ユーロ円は約15円も急落したのです。しかしそれは歴史的な金融危機の始まりにすぎませんでした。この約1年後にはリーマンショックが起こり、市場は混乱のピークに達するのです。

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