サブプライム問題

   サブプライム問題とは、サブプライムローン(Subprime Loan)に起因して米国で発生した信用不安のことです。なのでサブプライムローン問題と言ったほうが正確なのですが、長ったらしいのでここではサブプライム問題と言うことにします。そのサブプライムローンとは、低所得などで信用度が低い借り手に対するローンを意味します。問題化したのは主に住宅ローンです。信用度の高い借り手をプライム層ということから、プライムの下の層という意味でサブプライムといういい方をします。

サブプライム問題の前夜

   米国では、2003年後半から2006年にかけて、好景気と銀行間の競争激化により与信基準が大きく低下し、住宅ブームが起こりました。日本ほどではなかったにせよ、住宅価格が高騰してバブルの様相を示したのです(参考:ケースシラー住宅価格指数)。このとき銀行などは、所得が低かったり過去に延滞履歴のあるサブプライム層にも積極的に貸し出しを行いました。というのも、こうした債権を証券化した商品が投資家によく売れたからです。この当時は世界的に金余り(過剰流動性)状態だったため、多くの機関投資家はリスクに対する感覚が麻痺していたのです。米国債とジャンクボンドの利回り格差が歴史的に狭まったのもこの頃です。

   サブプライムローンは、信用度の低い借り手に対するローンですから、高めの金利が設定されます。しかしそうると借り手にとってハードルが高くなるので、銀行はあの手この手でハードルを下げました。例えば、当初の3年程度は、低い固定金利を設定するとか元本返済を猶予して金利のみの返済にするなど。もちろん、こうした期間を過ぎると返済額は一気に高くなるのですが、住宅価格が上昇すればまた融資を受けられるから何とかなるという甘い考えが、借り手側にもあったわけです。

   しかし、経済環境は絶え間なく変化しています。FRBは2003年6月に最後の利下げを行い、その後約1年間はFF金利を1%に据え置いていましたが、2004年6月、1年ぶりに金融引き締めに転じます。その後2年間にわたって17回連続で引き上げを実施。このように、過剰流動性が是正されるなか、米国の住宅価格は2006年に入って上昇が頭打ち傾向となり、8月にはついに値下がりに転じます。こうなると、値上がりを当て込んで無理に借りていた人たちが返済に行き詰まり、サブプライムローンの返済延滞が発生し始めます。住宅ブームの始まりから3年が経過し、月々の返済額が一気に膨らんだ人たちが出始めたころです。

サブプライム問題の表面化

   サブプライム問題は2007年に入って表面化し始めます。ただ、当初はそれほど深刻になるとは考えられていませんでした。しかし、夏場には、証券化商品による巨額損失の発生と信用メカニズムの収縮が連鎖的に発生し、米国市場は激震に見舞われます。TEDスプレッドが急拡大し、ダウ平均は急落。為替相場では安全通貨とみなされた円が急騰し、FXでは多くの投資家が損失を被りました。さらに、モノラインの経営危機が取りざたされ、2008年には米政府によるGSEの救済、大手証券会社の破綻(リーマンショック)へとつながり、世界中を巻き込む歴史的金融危機へ発展していくことになります。

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