スティープ
スティープ(Steep)はもともと「急な」という意味の形容詞です。債券市場ではこのスティープという言葉がよく使われます。これは短期金利と長期金利の差が広がった状態を指します。イールドカーブ(利回り曲線)が急な傾斜になるからです。下図の緑の線がイールドカーブのイメージです(近年の低金利時代ではここまでステープな状態にはなりませんが)。
基本的に、金利は短期から長期に向かって高くなりますが、その差は経済情勢によって変化します。景気回復の初期段階では、長期金利が上昇し始める一方、短期金利はあまり動きません。長期金利は経済情勢を敏感に反映する一方、短期金利は政策金利に連動しているからです。この結果、イールドカーブが変化し、ステープ化が起こります。
一方、好景気が続いてインフレが懸念されるようになると、金融引き締めで引き続き短期金利が上昇する一方、長期金利はあまり動かなくなります。すると短期金利と長期金利の差がなくなり、イールドカーブが平坦な状態に近づきます。これをフラットと表現します。