政策金利

政策金利とは

   政策金利とは、各国の中央銀行が国全体の金利を調整するために、誘導のターゲットとしている金利のことです。日本の場合、以前は公定歩合でしたが、現在ではコール市場の無担保コール翌日ものが政策金利となっています。

   公定歩合は中央銀行が一般の銀行に貸し出しを行う際の金利です。金利市場の自由化が進んでいない段階では、公定歩合によって中長期の金利までコントロールすることができました。しかし自由化が進んだ結果、銀行間取引市場に直接参加して、金利を制御することが必要となっているのです。

   日本だけでなく、主要国の政策金利は短期市場金利であり、これを操作することで中長期の金利水準をコントロールしています。政策金利は為替相場に大きな影響を及ぼしますので、FXにおいて、最も重要な情報の一つです。先進主要国における政策金利は次の通りです。

日本 無担保コール翌日ものレート
米国 FF(フェデラルファンド)レート
ユーロ圏 レフィ金利(ECB主要リファイナンシング・オペ金利)
英国 レポ金利
オーストラリア キャッシュレート
ニュージーランド オフィシャルキャッシュレート
スイス 銀行間(LIBOR)3ヶ月物金利
カナダ 翌日物金利
シンガポール 銀行間3ヶ月物金利
香港 ベースレート

政策金利の変更がもたらす影響

   政策金利の変更は為替市場や株式市場などにどのような影響をもたらすのでしょうか。まず引き締め局面について整理します。政策金利が引き上げられる時は、景気が過熱気味でインフレが懸念される状況です。短期金利が上昇すると、銀行は値ざやを確保するために融資金利を引き上げます。銀行にとって、政策金利は仕入れ値、融資金利は販売値の関係に相当します。住宅ローンの金利も上がるので、住宅の販売が減少します。住宅産業はすそ野が広く、影響が広範囲に及びます。自動車ローンもしかり。また企業への貸付金利も上がるので、企業は設備投資を控えます。こうして景気はスローダウンするので、株式市場には弱材料となります。

   ここまでは経済の教科書に書いてある基本のお話しですが、近年では新しい動きもあります。低金利のうちは企業が積極的に社債を発行し、そこで得た資金で自社株買いを行います。金利の上昇でこうした動きが弱まることも、株式市場の需給関係を悪化させます。また、金融緩和時代に積極的に行われた新興国への融資も波乱要因です。新興国への融資は主にドル建てですが、ドル金利が上昇すると利払いが膨らんで、経済活動が圧迫されます。世界一安全な資産と言われる米国債の金利が上昇すれば、リスクを取って新興国に投資する動きは低下します。こうしたことから、米金利の上昇は、新興国通貨の下落要因となります。一方で、株式市場の下落や世界的な景気減速は、安全通貨であるドル、円、スイスフランなどの上昇要因となります。

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