新興国通貨
新興国通貨とは
新興国通貨(Emerging Nation Currency)は文字通り新興諸国(エマージング諸国)の通貨をさします。新興国は発展途上国とはややニュアンスが異なり、人口や資源などから将来的には経済大国となることが予想される国々をさします。具体的には以下のような通貨が該当すると言えるでしょう。
BRICs各国
- ブラジル−レアル(BRL)
- ロシア−ルーブル(RUB)
- インド−ルピー(INR)
- 中国−人民元(CNY)
VISTA各国
- ベトナム−ドン(VDN)
- インドネシア−ルピア(IRP)
- 南アフリカ−ランド(ZAR)(関連記事:南ア・ランドの特徴)
- トルコ−リラ(TRY)(関連記事:トルコリラの特徴|トルコリラの長期トレンド)
- アルゼンチン−ペソ (ARS)
MENA各国
- サウジアラビア−リヤル(SAR)
- UAE−ディルハム(IRP)(関連記事:UAE・ディルハムの特徴)
- エジプト−ポンド(EGP)
- イスラエル−シュケル(ILS)
- その他中東から北アフリカの新興諸国
新興国通貨の特徴
為替市場でリスクアペタイト(リスクを選好)が高まり、がいわゆるリスクオンの状態のときには、新興諸国の通貨が買われやすい傾向があります。逆にリーマンショックのような危機が起こり、信用収縮でリスクオフになると、先進諸国の安全通貨に資金が流れる結果、新諸国の通貨は売られやすい地合いになります。また、米国債のような安全資産でも高金利を享受できるような局面ではあまり注目されない可能性があります。そのため、新興国通貨に投資する場合は、リスクオフで値下がりしているようなタイミングが狙い目と言えます。FXでスワップ狙いを行う場合も、そうした場面で買うことをお勧めします。
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新興国通貨で行う資産運用
新興国は将来的な発展が見込まれるため、中長期的に通貨の値上がりが期待できます。また、新興国は政策金利を高めに誘導している国が多いため、その点でも魅力です。ただし、上記のような新興国通貨の特徴を知っていないと痛めに会う場合もあります。新興国は先進国に比べて政治経済が不安定なため、ハイリスク・ハイリターンの一面があることをよく承知しておくべきです。