BRICs
BRICsとは
BRICs(ブリックス)は、ブラジル (Brazil)、ロシア (Russia)、インド (India)、中国 (China) の4カ国の頭文字を並べて作られた造語で、将来は経済大国になることが予想されるこれら4カ国を総称する経済用語です。米国の証券会社ゴールドマン・サックス社が2003年10月に出した投資家向けレポートで使用し、広く普及しました。BRICsのsはもともとは複数形のsですが、今では南アフリカ (South Africa) とすることもあり、さらにインドネシア (Indonesia) を加えた6か国の総称としてBRIICSとすることもあります。
BRIICS各国の通貨は以下のとおりです。長期的には新興成長国の通貨は上昇が見込まれますが、為替相場は様々な要因で変動するため、下記に示すように先入観は禁物です。
- ブラジル−レアル(BRL)
- ロシア−ルーブル(RUB)
- インド−インド・ルピー(INR)
- 中国−人民元(CNY)
- 南アフリカ−ランド(ZAR)(関連記事:南ア・ランドの特徴)
- インドネシア−ルピア(IRP)
BRICsの挫折
2008年に起こったリーマンショックの対策として、FRBはQE(QE(量的緩和策))を実施しました。それによって供給された資金はBRICsに向かい、各国の株式市場や不動産市場は活況を呈しました。ところが2013年になるとFRB関係者がQE終了について示唆し始めます。これを受けて市場ではQE終了を織り込む動きがおこり、BRICsから資金が逃避しました。2013年初めから10月までについて、新興国を対象とした株式ファンドの動きを見ると、ブラジルが40億ドル台、ロシアと中国が30億ドル台の流出となっています。インドも若干のマイナスでした。これに対して韓国は約50億ドルの流入、フィリピンとタイも若干のプラスでした。
こうした現象を見てBRICsの時代は終わったという人もいます。これは少し行き過ぎた意見にも思えますが、2013年にはBRICsという言葉が生まれて10年、その間に世界情勢は変化しています。BRICs以外の新興国にも目を向ける必要はありそうです。具体的にはUAE(関連記事:UAE・ディルハムの特徴)、オマーン、ドバイなどの中東国は有力候補といえるでしょう。
- 関連記事:新興国通貨の下落と円相場
- 関連語:VISTA|MENA