ハイリスク・ハイリターン
ハイリスク・ハイリターンとは
ハイリスク・ハイリターンとは、資金運用において、リスク(危険性)が高い一方で、リターン(収益性)も高いという意味です。お金の運用を行う場合、原則として損をする可能性が低いと考えられるものは期待収益も低い一方、危険性が高いと考えられるものは当たった時の利益も高くなります。これは、多数の投資家が参加することで、リスクとリターンの関係に自然と裁定が働くからです。
このため、一般に広く知られた金融商品はリスクとリターンがバランスし、ローリスク・ローリターン、ミドルリスク・ミドルリターン、ハイリスク・ハイリターンのいずれかになります。ローリスク・ハイリターンなどという美味しい話しはありません。くれぐれもご注意を。
ハイリスク・ハイリターンな金融商品の代表例は、FX|CFD、株の信用取引などです。これらは証拠金取引ですので、レバレッジが効いて手持ち資金の何倍もの取引ができるため、大きな利益を得る可能性と同等に、大きな損失を被る可能性があります。余裕資金があり積極的な運用をしたい場合には選択の候補になりますが、生活資金や何か目的があって貯めているお金を当てるべきではありません。
リスクとリターンの関係
ここからはリスクとリターンの関係について整理していきます。今、あなたは、金融資産の一部を積極的に運用しようと、つまりリスクをとってでも増やすことを考えているとします。ここでまず心に留めておかなくてはいけないこと、それはリターンとリスクは比例するという鉄則です。銀行や証券会社が扱っているものでローリスク・ハイリターンの金商商品などありません。ですから、積極的と言ってもどの程度積極的にいくのか、まずそれを決める必要があります。
ただし「一攫千金を狙いたい」と考えているなら、根本的に考え方を改めるべきです。それはギャンブルの範疇であって、金融資産の運用とは別の領域だからです。もし一攫千金を狙って取引をしたら、元本割れどころか大きな損を被るのがおちです。積極的といっても、ここでは年率5%〜30%程度を考えてみます。
1.年率5%〜10%
まず年率5%〜10%の範囲ではどうでしょうか。この程度は、バブルの頃にはノーリスクで手に入りましたが、リーマン・ショック以降は世界的に低金利になっていますから、ある程度のリスクはとらなければなりません。ただ、基本的には金利収益+αでカバーすることができる領域です。
具体的には主に外国の債券やリートなどが対象でしょう。この場合、表面的なリターンは概ね確定している場合が多いと思いますが、為替相場のリスクを取る必要があります。そして為替リスクを取るのであれば、実はFXもこの領域の資産運用で利用することができます。俗にいう「スワップ狙い」という取引です。なお、配当を含めた成長企業への長期投資など、この領域に入ってくるものは他にもありますが、それらについては専門のサイトをご参照ください。
2.年率10%以上
次に年率10%以上のリターンを狙って運用する場合を考えます。相応にリスクも上がります。この領域は金利収益では無理ですから、キャピタルゲイン狙いとなります。つまり投資対象の値上がり(または値下がり)で収益を上げることを考えるわけです。そうなると、投資対象の値動きがどの程度あるのかという点が重要になってきます。
まず、為替相場の値動きは個別株式に比べるとぐっと小さいということを知っておく必要があります。株式は数ヶ月で倍になったり半値になったりということも珍しいことではありませんし、一日で数%動くことは日常的です。しかし為替相場はそんなに動きません。流動性の高いメジャー通貨であれば、一日で1%動くというのは極めて稀です。
もちろん、個別株式でも小型株のほうが値動きは軽いように、為替相場もマイナー通貨のほうがボラティリティーが高い傾向にあります。ただ、株式は小型株でも大型株でも取引にかかるコストは同じですが、FXではスプレッドが異なり、マイナーな通貨は取引コストが割高になってしまいます。ですので、上述したスワップ狙いの取引は別として、キャピタルゲイン狙いの取引では基本的にメジャー通貨主体の取引になります。