為替市場とは
為替市場(Foreign Exchange Market / Currency Market)とは、通貨を取引する市場のことです。例えば、円をドルと交換するというような取引が行われるわけです。ただし、為替市場は株や債券のように取引所があるわけではありません。取引を行う建物もありません。電話や電子端末を使って一対一で行う取引の集合体を指して為替市場と言います。よく「東京市場」とか「ロンドン市場」という言い方もされますが、取引を行う場所をさしているのではありません。各銀行や貿易会社等の東京事務所が活発に外為取引を行う時間帯、もしくはその仮想空間をそう呼ぶのです。
為替市場は大きく分けると、銀行同士で行う取引と銀行と企業が行う取引から成り立っています。銀行同士の取引はいわば卸売りに相当し、銀行と企業の取引は小売に相当します。ただ、ふつうFXで為替市場と言えば、銀行間取引市場をさします。これをインターバンク市場と言います。ここでは銀行と一部の金融法人社だけが参加を許されており、一般企業や個人投資家は参加していません。さらに言えば、銀行の中でも信用力の高い大手の銀行に限られています。そこで大手銀行どうしが行う通貨の交換取引で用いられるレートが、世界で行われる為替取引全体の基準値となるのです。
インターバンク市場で行われる取引の種類
インターバンク市場で行われる取引にはいくつかの種類がありますが、その中心はじきもの取引とも呼ばれるスポット取引です。これは実際に現物の通貨を交換するために行われる取引です。他に数か月先の需要を手当てするためのフォワード取引などがありますが、取引量はスポット取引が大半を占めています。また、FXのレートやフォワード取引のレートは全てポット取引のレートをベースとしています。一般的に為替相場と言えば、インターバンク市場で行われるスポット取引の価格だと説明することができます。
◎次のページ:為替市場の取引高