トルコリラの特徴

トルコリラ紙幣

   トルコリラはトルコ共和国の通貨で、英語名は Turkish Lira、通貨コードは TRY です。相対的に金利が高いため、FXではスワップ狙いの投資家に人気のある通貨です。トルコ経済は欧州への依存度が高いため、トルコリラの相場も欧州情勢の影響を受けやすいという特徴があります。

トルコリラは高金利

   トルコリラの金利が高い理由は、慢性的な経常収支の赤字とインフレです。トルコは資源に乏しいため、エネルギー等を輸入に頼っています。また貿易は原材料や中間財を輸入して加工・輸出する構図であるため、貿易収支の改善が進みにくいという体質があります。トルコは経常赤字を埋め合わせるため、高金利政策によって海外からの資金を引きつける必要があるわけです。

   また、経済成長による国内消費が旺盛で、インフレを助長する一因になっています。トルコでは2006年からインフレターゲット制を導入しており、インフレ率を5%前後で安定させることを目標としていますが、エネルギー価格の上昇やトルコリラ安もあって、コントロールできているとは言いがたい状況です。このように、高金利である背景には通貨安を招く構造的な要因もあり、十分な注意が必要です。

トルコリラの歴史

   トルコは1990年代後半から2001年頃にかけて、ハイパーインフレや財政赤字で経済が混乱しました。1998年からはIMF(国際通貨基金)のモニタリングが始まり、翌年には同機関と経済プログラムを締結しています。しかし混乱は収まらず、金融危機へと発展した結果、2001年2月から変動相場制に移行しました。

   しかしこれによってトルコリラの下落は勢いを増し、同年10には74円台に暴落しています。1997年末には821円だったことを考えると、約4年の間に10分の1以下まで下がったことになります。IMFと新たな経済プログラムを締結するなどして混乱は徐々に収まっていきますが、プログラムが最終的に終了したのは2008年のことです。この間、2005年1月には百万分の1のデノミが実施されています。

トルコの経済

   トルコは欧州と中東・アジアをつなぐ位置にあり、地理的な優位性があります。人口構成も若年層が多く、さらなる人口増加も見込まれています。そのため、BRICsに続く、有力新興国群の一角と目されています。世界的に景気が後退した2009年こそトルコもその影響から免れませんでしたが、以後は高い成長を示しています。ただ、依然として高インフレ、経常赤字が続いています。

  2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
実質GDP成長率(%) 4.79 8.49 5.17 6.06 2.88
インフレ率(%) 8.89 7.49 8.85 7.67 7.78
失業率(%) 8.43 9.05 9.96 10.30 10.91
経常収支(100万ドル) △ 47,962 △ 63,621 △ 43,597 △ 32,118 △ 32,564
政策金利(%) 5.00 3.50 7.50 7.25 7.25
出所:JETRO(日本貿易振興機構)

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