ノルウェークローネの特徴
ノルウェークローネ(Norwegian krone)はノルウェー王国の通貨で、通貨コードはNOK。同国の強みは何といっても経常収支|財政収支ともに黒字で安定していることです。案外に知られていないことですが、北海油田を有するノルウェーは原油・天然ガスでは世界有数の輸出国。それによって同国は非常に裕福であり、国民一人当たりのGDPは世界第3位(出所:IMF 2011年)。ちなみに1位はルクセンブルグ、日本は17位です。
また、巨額資金を運営する政府年金基金(GPF)を有していることがノルウェークローネに対する信頼性を高めています。原油・ガスの輸出で得た利益をもとに創設した年金基金を世界の市場で運営していて、いわゆるソブリン・ウエルス・ファンドとしてはアラブ首長国連邦に次ぐ規模を誇っているのです。このように安定した経済基盤を背景に、ノルウェークローネも安定した通貨とみなされています。
ノルウェーはEU未参加
ノルウェーはEU(欧州連合)参加への国民投票を1972年、94年に行い、否決されました。理由は欧州最大の産油国であるという事情のほか、安い農水産品の流入や漁業権侵害等が懸念されるためです。もちろん未加盟のデメリットもありますが、個別協定によって経済の自由化を進めており、今後も加盟はなさそうです。そのため、ノルウェークローネも維持されるものと思われます。
FXとノルウェークローネ
ノルウェークローネは流動性の面でメジャー通貨に比べて劣ることから、FXのスプレッドはやや広くなります。そのため、ごく短期の取引には不向きと言えます。ただ安定した通貨であるため、長期的なバイ&ホールドを検討する際には候補としたい通貨と言えます。
ノルウェーの経済
主要産業である石油・天然ガス部門はGDPの約23%、輸出額の約49%を占めています(2011年)。インフレや失業率は低位安定しています。
2009年 | 2010年 | 2011年 | |
実質GDP成長率(%) | -1.7 | 0.7 | 1.6 |
消費者物価上昇率(%) | 2.1 | 2.5 | 1.2 |
失業率(%) | 3.2 | 3.6 | 3.3 |
経常収支(100万ドル) | 44,543 | 51,444 | n/a |