ドルの特徴

ドル

   ドルは複数の国(例えばシンガポールなど)で使用されている通貨単位ですが、単にドルと言えば米国ドル(US Dollar)ですね。ドルは世界の機軸通貨であり、最も多くの国や地域で通用する通貨です。通貨コードはUSD。為替市場でも他の通貨に比べて圧倒的な取引量を誇り、通貨取引のほとんどにドルが絡んでいると言われます。ドル以外の通貨どうしの交換比率をクロスレートと言いますが、クロスレートはドルとの交換比率を介して決定されます。

   為替相場は、基本的にドルを中心にして回っています。『ドルvsそれ以外の通貨』という構造が根底にあり、それゆえ、ドル以外の通貨は同じような動きを示すことがよくあります。例えば、欧州通貨やオセアニア通貨が連動した動きを示すのは、ユーロと豪ドルに直接の相関関係があるのではなく、ドルが買われてそれ以外の通貨が売られる(あるいはその逆)という現象のためなのです。

FRB

   ドル相場は様々な要因で変動しますが、金利動向は最も重要な要因の一つです。金利操作は通常、中央銀行が担っていますが、米国の中央銀行にあたるのがFRB(The Federal Reserve Board)です。中央銀行と言えば、日本銀行(BOJ)とかイングランド銀行(BOE)とか、名称に国名や地域名を用いていますが、米国は例外的ですね。FRBの中心的な組織はFOMC(Federal Open Market Committee)で、政策金利であるFFレート(Federal Fund Rate)の誘導目標を決めたり、公開市場操作を行ったりします。年間で8回開催されます。

FRBFFレートは短期から長期まで米国の金利体系全体に影響を及ぼす指標ですが、よりドル相場との相関性が高いと見られているのが米国債2年ものの利回り。2年ものは中期国債(Treasury Notes)の代表的銘柄で、ネットで検索すれば、チャートも探すことができます。FFレートや中期国債利回りの動向は、為替相場を読むうえで非常に重要なファクターであり、為替市場において最も注目される指標の一つです。

   FRBが金融政策を決定するうえで特に重視していると見られているのが以下の指標です。これらが発表される日は、事前に通信社などが予想数値を発表し、市場参加者はその時を待ちます。予想数値は実際の発表までにかなりの程度織り込まれますが、予想とかい離していた場合は、為替相場が大きく動きます。FXにおいてはチャンスでもありますが、思いがけない反応を示すことも少なくありません。例え腕に自信があっても傍観が賢明です。

アメリカの経済

   サブプライム問題以後の景気低迷によって、2009年には経済成長がマイナス3.1%を記録。その後は回復傾向にありますが、巨額の貿易赤字財政赤字を抱えています。また、通貨供給量が伸びていることは長期的なドル安要因と言えます(参考記事:ソロスチャート)。

  2009年 2010年 2011年
実質GDP成長率(%) -3.1 2.4 1.8
消費者物価上昇率(%) -0.4 1.6 3.2
失業率(%) 9.3 9.6 8.9
経常収支(100万ドル) -381,896 -441,951 -465,926
貿易収支(100万ドル) -379,154 -494,737 -559,880
財政収支対GDP比(%) -11.6 -10.7 -9.7
通貨供給量伸び率(%) -0.7 -2.0 7.6
出所:JETRO

アメリカの為替政策

   ドルのレートは、米政府の為替政策によっても大きな影響を受けます。プラザ合意のような歴史的な出来事もありますし、通商政策の手段に利用されることもあります。また、大統領選挙の年は、自動車などの輸出業者に配慮して、ドル安になりやすいといったことも言われます。ドルの短期的な動向には米国の経済指標や金融政策が大きな影響を及ぼしますが、市場が特定の為替政策を感じ取った場合、大きな流れはその方向に進むと言ってよいでしょう。ただ、米政府はそれほど為替政策に重きを置いていないと言われ、基本的には市場に任せるというスタンスです。

FXとドル

   ドルは取引量で他の通貨を圧倒しており、FXの中心銘柄です。USD/JPYやEUR/USDのスプレッドは極限まで狭まっており、インターバンク市場と比べてもその差はごくわずかになっています。スキャルピングからバイ&ホールドまで、あらゆる売買方針に対応可能な通貨と言えます。

参考データ

参考サイト(外部)

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