理財商品

   理財商品は中国のシャドーバンキングにおける代表的な金融商品です。信託会社などが組成し、主に銀行で販売されています。利回りは5〜10%。約3%の1年定期預金を大きく上回るため、2010年ころから販売量が急拡大してきました。集まった資金は主に地方政府の不動産やインフラ投資に流れているとされます。2013年3月末の残高は8兆2000億元(約130兆円)に達しており、中国の名目GDP(2012年)の約16%、人民元預金残高(67兆元)の約12%にも相当します。

   理財商品は規制のはざまで拡大してきたため、当局の監視が行き届いていません。投資プロジェクトなどが行き詰まってデフォルト(債務不履行)が発生した場合、投資家である個人や企業、販売者である銀行、プロジェクトの主体である地方政府など、影響が広範囲におよぶ可能性があります。ヘッジファンドの成功で名をあげたジョージ・ソロスは「サブプライム問題に似ている」と警告しています。

Copyright(c) 2008-2021 All Rights Reserved.