デフォルト
デフォルトとは
デフォルト(Default)とは債務不履行のことです。国や企業などが投資家に対して債券を発行し、その元利金の支払いをあらかじめ決められた期日に行わない場合、つまり約束を守らない場合、デフォルトを起こすとかデフォルトが発生すると言います。
企業レベルのデフォルトであればその影響は限られますが、国家レベルになると世界経済に影響を及ぼします。為替相場も無関係ではいられません。国がデフォルトを宣言すると、その国の通貨は信用を失って売られることになります。ただ、デフォルトの宣言に先だってまず信用不安が生じますから、為替相場はデフォルト以前から下落傾向をたどります。最近では2008年12月にエクアドルが政府発行の外貨建て債券についてデフォルトを宣言しています。また、ギリシャ債務危機も実質的なデフォルトとみなされています。
日本政府によるデフォルト
日本でも国家による大規模なデフォルトが発生したことがあります。戦後の動乱期のことです。終戦の前年の時点で、政府が抱える債務(国債や借入)は対GDPで約260%に達していました。と言っても、2014年時点では245.5%(IMF(国際通貨基金)推計)ですから、同じような水準にあったわけです。また、国債の大半を日銀と政府が引き受けていた点も、現在と事情は似ています。そうした中で敗戦を迎えた政府は、抜本的な債務調整策として国民に対するデフォルトに踏み切ったのです。
まず、終戦の翌年(1946年)に預金封鎖と新円への切り替えを行い、国民の資産を差し押さえます。秋には財産税を導入して国民から現金を吸い上げ、国債償還の原資とします。さらに、戦時中に国民や企業が拠出していた財産は「戦時補償特別税」という名のもとに踏み倒してしまうのです。結局のところ、投資家でも何でもなかった国民や企業までが、国家規模で行われたデフォルトの犠牲となってしまいました。