必勝への第一歩

勝利への扉

FXの必勝法を修得するために、まずは理解しておくべきことがあります。それは、FXでは多くの人が損をして退場するという現実と、そうなるのは何故かということです。必勝法は裏を返せば失敗しないための方法ですから、失敗する理由を知っておく必要があります。なお詳しいことは「FXで失敗する理由」で整理していますので、ここではその根本的な要因を取り上げておきたいと思います。

まずは自分を知る

スポーツは『心・技・体』と言います。相場の場合『体』はともかく『心』は非常に重要なファクターです。FXで失敗する人は大抵メンタル・コントロールが上手くありません。つまり自己管理の点で改善の余地が大きいのです。特に損得がからむ相場では、人間にはやっかいな本能が備わっていて、これが大きなハードルとなります。あなたの場合はどうか、少しテストをしてみましょう。あまり深く考えず、直感的に答えて下さい。

まず一問目です。今日はあなたの会社のボーナス支給日です。しかしこの会社はちょっと変わっていて、次のように言われました。

今日中に引き出すなら50万円です(あなたにとってはまぁまぁ悪くない額です)。引き出しを先に延ばすと、業績次第で増える可能性もありますし減る可能性もあります。今決断しなくてもよいですが、決めたらご連絡下さい。

あなたならどうすると思いますか?答えを覚えておいて下さい。次に二問目です。あなたはある失敗をしてこの会社に迷惑をかけてしまい、損害賠償を請求されました。会社から、次のように言われたとします。

今日中に支払うなら50万円です。損害の程度次第では今後増えるかもしれないし減るかもしれません。今決断しなくてもよいですが、決めたらご連絡下さい。

両方とも現実にはありそうもないケースですが、心理テストと割り切って下さい。ではあなたの回答とFXとの関係をみていきましょう。

必勝を妨げる要因

まず一問目については、回答者の大多数が『その日のうちに引き出す』と答えます。逆に二問目は、判断しかねた場合も含めて『その日のうちに支払う』という答えは少数派です。これは誰しも、利益は早く確定させたい、損はなるべく先送りにしたいという心理が働くからです。その裏には、『自分の利益になることは、それが多くなる期待よりも少なくなる方を心配し、自分の損になることは、それが多くなる心配よりも少なくなる方を期待してしまう』とい本能があるのです。

  • このことを学問的な研究した成果があります。ご興味のある方は「双曲割引の罠」をご参照ください。

こういう心理作用が相場を行ったときにどう影響するかというと、利食いは早め、損切りは遅めという現象になって現れます。相場が上手くならない人の多くは、この傾向がなかなか直らないのです。これは初心者に限った話しではありません。ベテランでもやらかしてしまうことがあります。

例えば次のようなケース。続けて利益を出しているのに何回目かで予想がはずれ、損切りできずに利益を全て無くしてしまう、という場合です。利益を無くすだけならまだしも、利益を証拠金に注ぎ、取引を膨らませた挙句にこれをやると、最初の元本さえ割ってしまうこともあります。こういう時はもう魔が差した状態というか、冷静な心理状態ではないはずです。

必勝への鍵とは

多くの人に、利食いは早め損切りは遅めという傾向があるので、相場の格言には『利食いは遅く、損切りは早く』という言葉があります。しかし、利の乗っていた建玉が翌日に急落し、『利食い千人力』だったと嘆くこともあります。では、どうすればいいのでしょうか。これは、あらかじめ建玉・利食い・損切りについて一定のルールを定め、それを粛々と実行することにつきます。FXの必勝方とは正しく整備されたマイルールを持つこと、そしてそれを破らないことなのです。次ページからは正しいマイルールとはどんなものか、守るためには何をすればよいかを解説していきます。

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