トモネ取引
トモネ取引とは
FXはインターバンク市場のスポット取引をベースにしています。スポット取引は原則2営業日後(カナダドル/米ドルは1営業日後)にキャッシュの交換をして終了する取引です。しかしFXでは投資家自身が決済しない限り建玉は維持することができます。それは、FXではスポット取引にトモネの取引を組み合わせ、建玉を繰り延べているからです。
トモネ取引の仕組み
では、具体的な事例でトモネ取引の仕組みをご説明しましょう。まず、あなたがドルを買い建てたとして話しを始めます(ペア通貨は円です)。説明を分かりやすくするために、今日は月曜日と考えてください。業者はこの取引に対応するため、カバー先のA銀行に対して同じくドルの買い注文を出します。A銀行はこれを受けて業者にドルを売る一方、別のB銀行からスポット取引と呼ばれる取引でドルを手当てします。この結果、A銀行はB銀行に対し、ドルの購入代金として円を振り込まなければならなくなります。
ただし、当日ではなく2営業日後と定められています。スポット取引のルールでそうなっているわけです。しかし、A銀行はカバー取引のためにB銀行とドル買いの取引を行っただけですから、実際に今すぐドルを必要としているわけではありません。業者と行ったカバー取引が決済されるまで(すなわちあなたが決済するまで)、A銀行も決済を先延ばしにしたいわけです。
そこでA銀行は、火曜日に次のような取引をB銀行と行います(実際にはB銀行とは限りませんが、分かりやすいようにそう仮定します)。スポット取引の決済日である水曜日づけでドルを売り、木曜日づけで買う取引です。これは、スポット取引とは別のトモネ取引といいます。トモネはトゥモロー(明日)ネクスト(その翌日)の略で、英語ではTOM/NEXTと表記します。
この取引を行った結果、水曜日に実行されるはずだったドル/円の交換は相殺されて無くなり、木曜日に先延ばしになります。A銀行は、あなたが決済を行うまで、このトモネ取引を続けるのです。以上が、本来なら2営業日後に決済されなければならないスポット取引が、決済されずに繰り延べられていく仕組みです。