ガートレイ・パターン
ガートレイ・パターン(Gartley Pattern)はフィボナッチ比率とパターン分析を組み合わせたテクニカル分析です。H.M.Gartleyという1900年代前半に活躍した投資家がその著書の中で紹介しています。さっそく図を見ながら具体的な売買手法を見ていきましょう。
ガートレイ・パターンの買いシグナル
まず1の買いシグナルから解説します。相場はXを起点としてAまで上昇し、その後Bへと反落します。この時、XAの上昇幅を100%とした場合のABの下落幅はフィボナッチ比率の61.8%が典型的なパターンです(図ではXBの点線で説明されています)。これはフィボナッチ・リトレースメントの発想です。次に相場はBからCへ反発しますが、Aを抜くことなく再び反落します。BCの上昇幅はABに対して61.8%または78.6%。実際の相場はこれほど正確にフィボナッチ比率を描くわけではありませんが、ポイントは少しずつ値幅が小さくなっていくことです。
ただし、ここまでであれば、パターン分析でいうウェッジやトライアングルの形成も考えられます。しかしBを下抜いてしまった場合はどうでしょうか。フィボナッチ分析で言えばエクステンションが起こるわけです。このような場合、下降フラグの完成を待つのも一つの手なのですが、もし127.2%から161.8%の間で下値抵抗感が出れば、別の見方をすれば、XAの上昇幅に対する78.6%のリトレースメントとして下げ止まれば、ガートレイは買いのチャンスだとしています。すなわちDのポイントです(ここがバタフライ・パターンと異なる点です)。Aを抜いて上昇することが期待できるからです。しかし確実というわけではありません。そこで予定建玉を2分割し、第1段階ではガートレイ・パターンで、第2段階では一般的なACの抵抗線を抜いた時点で買うのも有効な取引手法となります。
ガートレイ・パターンの売りシグナル
2は売りのシグナルです。チャートの見方は買いのシグナルと同じで、フィボナッチ比率からターゲットと割り出されるDで上昇を押さえられるようなら、売りのチャンスとしています。
買いにしても売りにしても、ガートレイ自身は10年間で7割ほどの成功率だったと言っています。もしそうなら取引手法として悪くありません。しかしどんな手法にも共通して言えることですが、だましに会った時に的確に対応することが大切です。早めに損切りを行い、次のチャンスに集中しましょう。
ガートレイ・パターンの例
下図は実際のチャート上に現れたガートレイ・パターンです。フィボナッチ比率にもいくつかあり、そのどれに一致しているかはケースバイケ−スですが、図のようなパターンを見つけたら、D近辺での値動きには注目するとよいでしょう。なお、ガートレイ・パターンでは、Dがチャートの起点となるXを抜きませんが、抜くとバタフライ・パターンになります。