パターン分析

パターン分析(Pattern Analysis)はテクニカル分析の基本的な手法の一つです。チャート(グラフ)の形状をパターン化し、天井圏・底値圏を判断したり、トレンドの継続・反転を分析したりします。テクニカル分析には欠かせない取引手法と言えるでしょう。パターン分析には大きく分けて次の二つがあります。いずれの場合も、パターンが完成してブレークアウトが発生した時点が仕掛けの好機となります。

天井圏や底値圏で現れるパターン

天井圏や底値圏でよく出現するチャートパターンとして、ヘッドアンドショルダー(下図のア)やダブルボトム(イ)などがあります。こうした形状が見られた時は、トレンドが転換する可能性があります。特に何かファンダメンタルズの変化を伴ってパターンが完成した場合はチャンスです。詳しくは次の「天上圏と底値圏のチャートパターン」で解説します。

天上圏と底値圏のチャートパターン

トレンドの途中に現れるパターン

チャートの形状にはトレンドの途中でよく現れるものもあります。形状に応じて以下のような様々なパターンがあります。トレンドが再開する場合と反転する場合があるので、こうしたパターンが出現した時はその見極めが重要になります。

1.トライアングル

図のように、抵抗線支持線がやがて交差して三角形を作るパターンです。AとBは二辺の一つが水平線、Cは上昇線と下降線の組み合わせですが、いずれも三角もちあいを形作っています。Cは横長で三角形をした旗に似ていることから「ペナント」と呼ばれることもあります。ここに例示した図は三つともにトレンドが継続するパターンですが、トライアングルを形成した後、トレンドが反転するパターンもあります。

トライアングル

2.ウェッジ

次は先端が閉じていないパターンです。図のAとBは先端に向かって細くなっているのでウェッジ(くさび)型と呼ばれます。トライアングルと同様に為替相場の変動幅が徐々に小さくなっていきますが、先端が閉じるほどではないという状況です。Aはトレンドが継続するパターン、Bは反転するパターンです。

ウェッジ

3.チャネル

抵抗線と支持線が平行線の場合もあります。このパターンは為替相場が菅(くだ)の中を動いているように見えるのでチャネルと呼ばれます。また旗のようにも見えることからフラグ・パターンとも言います。

チャネル

パターン分析の長所と短所

以上のように、チャートの中に出現するパターンにはいろいろな名称がつけられていますが、基本はみな同じです。いずれも、抵抗線や支持線が形成されていればそこに注目し、ブレークアウトを待つ戦術だということです。テクニカル分析としては単純なようですが、移動平均RSIのようなパラメーターがないということがパターン分析の長所です。

パラメータがある分析手法では、その設定いかんによって分析結果が変わってきます。相場のサイクルやトレンドの大きさとパラメーターがマッチしていないと、いわゆる「だまし」に会います。パターン分析にはそうしたミスマッチがありません。値動きそのものを分析をするのでとてもシンプルです。しかしそれだけに、経験がものをいう分析手法かもしれません。

  • テクニカル分析のパラメーター…例えばRSIでは分析期間として14日間を用いることが標準となっていますが、これは開発者がいろいろと試した結果採用した数値で、確たる理由はありません。その時々の相場次第で、9日や18日が最も好成績となることもあるわけです。

フィボナッチ・パターン

最後にフィボナッチ・パターンについて解説します。これはフィボナッチ比率をパターン分析に応用したもので、ガートレイ・パターンバタフライ・パターンの2種類があります。チャートの中にある重要なトップやボトムをつないだ時に下図のようなパターンが形成され、上昇幅や下落幅がフィボナッチ比率になっている場合に、Dを仕掛けのポイントとします。詳しい見方はそれぞれのページをご参照ください。

ガートレイ・パターン

バタフライ・パターン

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