RSIの応用
RSIの罠
RSIが売られすぎ・買われすぎといわれる水準に達すると、多くの場合、いったんは利食い売りや買い戻しが入ります。しかしすぐに切り返し、トレンドの転換にならないことも少なくありません。図のAでは、RSIはピークで70台をつけて調整局面には入っていますが、本格的な下げ相場には転換していません。相場がピークをつけるのはその先です。
RSIを使って逆張りをすると、勝率はまぁまぁかもしれません。しかしRSIが怖いのは、相場の勢いが非常に強い時に大けがを負ってしまうことです。例えばRSIが30を割ったので買ったとします。なかなか相場は反発しませんが、RSIがこれだけ安いのだから遠からず底打ちするはずだと考えがちです。確かに上昇する日もあったりするので『いよいよ底を打ったか』と期待します。しかし翌日に反落し、安値を更新。こうしてジリジリと下がりつづけ、最後は損切りに追い込まれる。FXで見られる典型的な失敗のケースです。
RSIで安値を拾う場合は、相場の背景にあるファンダメンタルズを検討し、そこから推定されるトレンドのスケールを常に考えておく必要があります。もし大相場の可能性が高ければ、逆張りを狙うよりも足元のトレンドに乗るほうが有利です。
RSIでトレンドフォロー
RSIは逆張りだけでなく、順張りで利用することも可能です。押し目買いや戻り売りを入れるチャンスとして、RSIの50を目途とするのです。上図のCのエリアを見てください。RSIの50のラインと相場の押し目が一致している状況が読みとれると思います。もちろん、いつも50で押し目の底となるわけではありません。図の1,2,3は50を割っていますが、その後再び50以上に浮上しています。こういうことももちろんあります。また、完全に50を切ると、今度は4のように50ラインが戻り売りのチャンスとなる傾向もあります。
RSIの使い方
RSIだけに限った話しではありませんが、一種類のテクニカル分析だけに頼って相場を判断することは無理があります。特にオシレーター系だけというのは危険なので、フォーメーション分析など他のテクニカル分析と併用し、ファンダメンタルズとも相談して出動するようにしましょう。
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