格付け

   一般的に格付けというのは商品やサービスをAランク、Bランクといった具合に等級分けすることですが、経済用語として使われる格付けは信用格付け(Credit Risk Rating)のことをさします。会社や国が債務をちゃんと履行するかどうかの信用度で等級分けしたもの。具体的にはそれらが発行する債券の利払いや元本の償還がどれだけ確実に行われるかというランキングです。

   格付けには短期と長期がありますが、重要で注目されるのは長期のほうです。格付けは専門の格付け機関が行っていて、世界的には次の米国系3社がほぼ独占しています(カッコ内は日本語サイト)。

  • ムーデーズ・ジャパン
  • スタンダード&プアーズ
  • フィッチレーティングス

   日本では上記3社に加えて次の2社が金融庁の指定格付け機関となっています。

  • 格付投資情報センター(R&I)
  • 日本格付研究所(JCR)

   信用格付け独特の表示方法であるAAA(トリプルA)やBB+(ダブルBプラス)はフィッチが考案したもので、ムーディーズ以外の残りの3社はこの方法を採用しています。発行体格付けおよび長期格付けの表示方法は以下のとおり。それぞれ+とか−をつけて微妙な差を表すこともあります。もちろん+のほうがより上位、−はより下位になります。BBB(Baa)以上が投資適格で、それより下は投資不適格=投機的となり、いわゆるジャンク級と呼ばれます。なお、短期格付けは別の体系になっています。

信用度 ムーディーズ 他の4社
Aaa AAA
Aa AA
A A
Baa BBB
Ba BB
B B
Caa CCC
Ca CC
C C
債務不履行状態 D D

   また長期の格付けには上記のランクの他に、アウトルックと呼ばれる付加情報がつく場合があります。これは今後の見通しを示すもので、以下の4種類があります。

  • ポジティブ…ランクを引き上げる可能性あり
  • ネガティブ…ランクを引き下げる可能性あり
  • 安定的…当面は現状を維持
  • 検討中…ランク修正の検討に入った状態

   FXで格付けを気にすることはほとんどありませんが、国債の格付けが変更になると、為替相場に影響を与えることがまれにあります。また、格付けが変更される背景については頭にいれておきたいものです。

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