CFDを使った売り戦略

リセッション入りが近づく米国の景気

   米国の景気はリーマンショック後の2009年6月を起点に拡大を再開し、この記事を書いている2018年12月時点で114カ月が経過しています。あと6カ月で過去最高の120カ月に並びます。一方、米国の株価指数(S&P500)は景気より一足早い3月に大底をつけ、何回かの調整局面を交えながら、上昇基調を続けています。景気と株価は表裏一体であることが分かりますが、景気拡大にはすでに黄信号がともっています。

   GTP成長率の鈍化や失業保険申請件数の増加など、ここにきて経済の減速を示す材料が増えてきてるいるのです。それになんと言っても気になるのが、住宅市場の変調です。住宅投資は影響が広範囲なので景気に先行すると言われますが、これが明らかに鈍化しているのです。また米国のREIT指数をみると、こちらも2009年3月を底に上昇基調が続いていましたが、この2年ほどは横ばいです。未だに2016年8月につけた高値を抜けていません。

景気に先行する株式相場

   そんな状況から米国株については、「遠からずピークアウトするだろう、ひょっとしたら既にそうなっているのかもしれない」という見方が増えているわけです。米国の景気拡大が過去最長を記録した当時、S&P500は景気のピークの7カ月前に天井をつけました。そこから考えても、米国株が既に天井を着けている可能性は決して低くありません。そんな状況下で、投資家はどんなストラテジーで臨むべきでしょうか。

CFDは下げ相場もチャンス

   株価指数が下落基調でも個別株の中には上昇するものもありますから、そんな銘柄を探すのも一つの方法です。しかし相場全体が下落基調のときは売りで儲けるほうがはるかに簡単で確実です。では具体的にそうすればよいか。CFDを使うのです。CFDの概要で詳しく解説していますが、CFDの特徴は以下の三つです。

  • 買いだけでなく売りから入ることもできる。つまり空売(カラウリ)りが可能。
  • 個別株はもちろん指数も取引できる。しかも米国市場だけでなくアジアや欧州も対象。
  • 信用取引のようにレバレッジを効かすことができる。ただし信用取引のような期限はなく、リスクを押えたければレバレッジを使わないこともできる。

CFDの売りは金利がつく

   上記三つがCFDのポイントですが、弱気相場をCFDでチャンスに変える場合、もう一つ重要なことがあります。CFDで空売りすると金利がもらえるのです。なぜか。売りから入ると売却代金を業者に貸しているいることになるので、金利がもらえるのです。逆に買いから入ると金利を支払うことになります。買う場合は総代金を業者から借りることになるためです。基準になる金利は当該国の短期金利で、米国ならFFレートが基準です。また業者の利益分が引かれるので、もらえると言っても大した金利ではありません。しかしチリも積もれば山となるです。次回のリセッション(景気後退)がどの程度続くかわわかりませんが、過去は最短で6カ月、最長で16カ月、平均は10カ月でした(対象期間は第2次大戦後)。金利は土日・祝日関係なく365日生じます。CFDで空売りを行うメリットの一つです

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