キングストン体制
キングストン体制(Kingston Monetary Systems)とは、変動相場制を導入した為替取引の国際的枠組みのことです。
ブレトンウッズ体制の崩壊
戦後の為替相場はブレトンウッズ体制によって固定相場制が敷かれていました。しかし1971年、その根幹であった金本位制がニクソンショックによって突然崩壊します。それからしばらくたった同年12月18日、ワシントンのスミソニアン博物館で10ヵ国蔵相会議が開催されました。この会議は、米国の新経済政策をうけて、新たな国際通貨体制を検討するものでした。
ただしこの時点では変動相場制への移行は見送られ、固定相場制は維持されました。その代わりに、主要通貨に対してドルを切り下げたのです。円ドルレートは308円とされました(それでもまだ300円台!)。また、為替の変動幅は従来の上下1%から暫定的に2.25%に拡大されました。キングストン体制へ
しかしながら、このスミソニアン合意にもとづく体制は長続きしませんでした。米国の貿易赤字は一向に減る気配がなかったからです。結局1973年の2月〜3月、日本を含む先進各国はあいついで変動相場制に切り替えることとなります。こうなるともう後戻りできません。1976年1月、ジャマイカのキングストンでIMF(国際通貨基金)の暫定委員会が開催され、変動相場制が国際的に追認されました。これをキングストン体制と言い、現在に至っています。
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