ボラティリティ・ブレークアウト
ボラティリティ・ブレークアウトというのは、それまで相場の値動きが小さく、ボラティリティも低くかった相場が、何らかの要因で大きく動き出す場合をさします。つまり、一定の範囲に収まっていたボラティリティが、その上限を抜けていく事象をボラティリティ・ブレークアウトといいます。
これを端的に表すテクニカル分析がボリンジャーバンドです。ボリンジャーバンドの大きな特徴は、相場の動きがおとなしいときにはバンドの幅が狭まり、相場の動きが激しいときにはバンドの幅が広がることです。バンドの幅がくびれたように狭くなり、そこから急激に広がる場面は相場が静から動へ変化することを示唆しています。これがチャンスになるのです。具体的には、バンドの幅が狭くなってきたら値動きに注目し、終値が±2σをはみ出したら、素直に相場に付いていきます。
下の図ではAの部分がそうです。結果としてあまり大きなトレンドにはなっていませんが。Bの部分も典型的ではないものの、やや該当するパターンになっています。いずれも、相場が動きだす前のある程度の期間、±1σバンドの間で揉みあいが見られます。こうした状況からどちらかに相場が振れたときは注目すべき場面になります。
ボリンジャーバンドは1σや2σを単純に抵抗線と考えるとだましに会いやすいですが、ボラティリティ・ブレークアウトの参考指標としては重要です。また、VIX指数(恐怖指数)もボラティリティ・ブレークアウトの参考指標に活用できます。
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