ファンディング通貨
ファンディング通貨(Funding Currency)とは、低金利の通貨で資金を調達し、高金利通貨等で運用を行うキャリートレードにおいて、資金を調達する側の通貨のことです。例えば、円が低金利でドルが高金利だった場合、日本の銀行で円を借り、この資金をドルで運用すれば、借入金利と運用金利の差を利ざやとして稼げるわけです。この場合の円をファンディング通貨、または調達通貨といいます。一般的にファンディング通貨には、信用があり金利が低い国の通貨が選好されます。
サブプライム問題が表面化する以前は、世界中でバブルの様相が強まりました。キャリートレードも大流行しましたが、この時期の代表的なファンディング通貨は円とスイスフランでした。運用先は主に資源国通貨やBRICsなど新興国の通貨でした。また、欧州では円建てやスイスフラン建ての住宅ローンも流行しました。これも業者が低金利通貨で調達した資金を貸し出して利ざやを稼ぐわけですから、円はファンディング通貨となっていたわけです。