資源国通貨
資源国通貨(Commodity Currency)とは、エネルギー資源や鉱物資源を豊富に産出し、輸出額に占めるそれら資源の割合が高い国の通貨をさします。資源国としては、中東などの産油国、天然ガスや鉱物資源が豊富なカナダ、多様な鉱物資源を産出するオーストラリア、貴金属やレアメタルが豊富な南アフリカなどが代表的ですが、意外に知られていないところでは北海油田を持つノルウェーも資源国の一面があります。イギリスも北海油田を保有していますが、近年は原油輸入国になっています。一方、ニュージーランドドルも資源国通貨のイメージがありますが、これはオーストラリアドルとの連動性が高いためで、同国自体は農畜産物が主要な輸出品です。
資源国通貨の為替相場は、主要資源の価格動向に連動することがあります。資源価格の変動は貿易収支や国内の景気に影響を与えるためです。長期的に見ると、中国やインドなどの人口大国で産業化が進むと有限な資源であるエネルギー資源や鉱物資源の価格は上昇傾向を辿ると予想されています。しかし一方では、長期循環論から見ると資源ブームは終わったという見方もあります。FXでレバレッジを効かした取引を行う場合は様々な要因に目を向ける必要があり、「資源国通貨=長期的には上昇」といった先入観は持たないほうがよいでしょう。