為替相場のテクニカル要因
為替相場の市況解説の記事ではよく『テクニカル要因主導の上げ』とか『テクニカルな売り』という表現を見ることがあります。これはどういうことを指しているのでしょうか。
為替相場の大きな流れはファンダメンタルズにそって形成されますが、ファンダメンタルズは毎日変化するわけではありません。目立ったニュースもなく、これといって重要な経済指標の発表がない日は、取引の手がかりを欠きます。そんなときは、テクニカル分析に基づいた取引や、システムトレードを行っている市場参加者の売買動向が、市場をリードすることがあります。彼らは、テクニカル分析上の売買ポイントで注文を執行します。そこへ、銀行ディーラーなどが提灯をつけると、特に材料が出たわけではないのに相場が動きます。こういった状況を、テクニカル要因主導と呼ぶわけです。
テクニカル要因のポイント
一般に銀行ディーラーは、あまり相場感を持たないで取引を行います。市場の動向を観察しながら、トレンドの出そうな動きについて行こうとするわけです。要因が明確ではなくても、例えば抵抗線と見られた水準をブレークしたら、買いを入れます。こうした動向が、さらに相場の動きを加速させるのです。ただ、そのようなテクニカル上の売買ポイントは、多くの市場参加者が注目しているので、経済指標の発表がないような日は、そうしたテクニカルな取引が主体となる下地が既にあるわけです。
- 詳しい解説:テクニカル分析入門
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