過剰流動性
過剰流動性とは、必要以上に金融が緩和されて、お金の流動性が高まっている状態をいいます。一国の経済には規模や構造に応じて適性な通貨の量があります。この量を上回って過剰にお金が流通しているということです。過剰流動性におちいると、金融機関ではお金が余って使い道に困ることになるため、過剰な貸付や投資に向かいます。その結果、土地や株価の上昇を招き、いわゆるバブルが生じることがあります。
1980年代後半に起こった日本のバブルは、プラザ合意に端を発した超円高への対応策として金融緩和が実施され、その結果もたらされたものでした。また、サブプライム問題も、日本や米国の金融緩和、原油価格の高騰によるオイルマネーなどによって発生した過剰流動性が背景にありました。
過剰流動性に対する方策はまず金融の引締めですが、日本では総量規制のような政治的な対策もとられました。しかしその結果、急激なバブル崩壊を招くこととなったのです。過剰流動性をスムーズに沈静化させることは難しく、しばしば景気後退を招きます。
FXとの関係では、過剰流動性が発生すると通貨量が増え、インフレ懸念も生じるため、基本的には為替相場の下落要因となります。