ランダムウォーク理論

ランダムウォーク理論とは

   ランダムウォーク理論(Random Walk Theory)とは、「株の値動きを予想することはできない」ということを説明した理論です。簡潔に言うと、過去の動きがどうであれ、明日の相場が上がるか下がるかは常に5:5の確率であるということ。ただし「相場で儲けることはできない」と言っているわけではありません。株価は企業価値に対する評価ですが、企業は継続的に活動して収益を得ることを前提としていますので、長い目で見れば右肩上がりになります。この理論もそこは同じです。この理論が主張する結論は、「ファンドの運用においてアクティブ運用はパッシブ運用に勝てない」ということなのです。

アクティブ運用とパッシブ運用

   アクティブ運用は、市場平均を超える運用収益を目指して、積極的な売買を行う手法。市場平均とは、運用成績の平均値ということではなく、日経平均やダウ平均などの株価指数をさします。つまり、株式相場全体が上がろうが下がろうが、とにかくそれよりもよい収益を出すことを目標とするのです。そのため、人(ファンドマネージャー)が売買の判断をします。これに対して、市場平均と同程度の運用収益を目指す手法をパッシブ運用と言います。例えば日経225を指標とするなら、その構成銘柄を買ってポートフォリオを組めばいいわけです。人間の判断が入る予知はぐっと少なくなります。

   ではなぜ、アクティブ運用はパッシブ運用に勝てないのでしょうか。アクティブ運用ではプロのマネージャーが理論やデータを駆使して買い時売り時を判断します。それなのに、平均株価よりも良い成績が出せないとは、何か腑に落ちません。しかし、確率論に基づいているランダムウォーク理論では、どんな手法を使おうと相場を予想することは不可能なのです。当たることもあれば外れることもあり、結果は市場平均並み。しかしアクティブ運用はマネージャーの人件費やら銘柄分析の費用などがかかる分、パッシブ運用よりも成績は悪くなる。そういう理屈なのです。

猿のダーツ投げ

   ランダムウォーク理論を説明する際に持ち出される寓話に「猿のダーツ投げ」があります。目隠しをした猿にダーツを投げさせて、ポ−トフォリオの銘柄を決めたり売買のタイミングを決めたりしても、その成果はプロのファンドマネージャーと変わらない、という話しです。

   ランダムウォーク理論が、相場は予想しても無駄だとするのは、市場は効率的であると仮定しているからです。つまり相場を動かす要因は値がついた時点ですべて織り込まれており、次の値動きは予想不可能な事象によって左右される、という理屈です。このため、ファンドマネージャーでも目隠しした猿でも同じだというのです。また、ランダムウォーク理論はテクニカル分析も否定しています。例えば、RSIでは70%以上になると買われすぎの状態と言われます。しかし、ランダムウォーク理論では「だからといって早晩下がるとは言えない。もっと上がって100%になるかもしれない」と考えます。

   ランダムウォーク理論はあくまで株式のファンド運用を対象とした理論です。また数学的なアプロ−チを多用しており、十分に多くの回数を取引することや分散運用を前提としています。そのため、個人投資家の取引にそのまま当てはめることはできません。ただ、相場はランダムウォークであるという主張は、FXにおいても頭の隅に置いておく価値はありそうです。

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