頭と尻尾はくれてやれ
「頭と尻尾はくれてやれ」というのは有名な相場格言です。「頭」は天井すなわち最高値、「尻尾」は大底すなわち最安値を意味します。つまり、欲をかいて為替相場の天底を狙うようなことは考えず、腹八分目にしておきなさいという教えです。FXをやるなら誰しもなるべく安く買いたいと思いますし、なるべく高く売りたいと思います。もし大底で買い天井で売れれば利益は最大限になりますから、どうしても天底を狙いたくなるのが人情。すると人間はどういう行動を取るかというと、ギャンブルにうって出るのです。
天底狙いは大けがのもと
まだ相場が反転していないうちに「ここらへんが底だろう」と推測して買いに出る。テクニカル分析のRSIやストキャステックで売られ過ぎの状態になったとか、何か材料が出たとか、一応は根拠のあることでしょう。しかし、値ごろ感も大きな理由になっているはずです。しかし大相場になった時は「半値八掛け二割引き」と言われる水準まで下げることもあるのです。そうなると、いったんは底だと判断しているのでなかなか損切りができません。資金的に追い込まれてやむなく損切りすると、そこが底だったということはよく聞く話しです。
相場では欲をかきすぎるのは怪我のもと。頭と尻尾は捨てて一番美味しい身の部分だけ食べましょうと、この格言は教えています。なお、この格言のフルバージョンは『相場の頭と天井は○○にくれてやれ』となりますが、○○のところには、神様、素人、大衆、ネコなどが入るバリエーションがあります。特に「素人」「大衆」には重みがあります。頭や尻尾まで食べようとするのは初心者のすることと心え、気持ちに余裕をもって相場に臨みたいものです。
「頭と尻尾はくれてやれ」を言い換えれば「トレンドの転換を確認してから出動せよ」ということに他なりません。これを実践するための具体的な方法については下記をご参照ください。
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