強気の罠と弱気の罠

   強気の罠と弱気の罠は、株式相場や為替相場において陥りやすい過ちを指す言葉です。強気の罠は英語のブルトラップ(Bull Trap)、弱気の罠はベアトラップ(Bear Trap)に由来しています(参考記事:ブルとベア)。

強気の罠とは

   まず強気の罠=ブルトラップからご説明しましょう。大規模な上昇相場(強気相場)が出現し、買いそびれた投資家が押し目を待っているとします。しかしなかなか押し目がなく(いわゆる「押し目待ちに押し目なし」の状況)、相場はいよいよ急騰商状となります。しかしようやく反落場面が訪れ、押し目を待っていた投資家が買いに入ります。こうした投資家は心理的に乗り遅れたあせりがあるので、もはや精神的に冷静中立ではありません。相場はまだ上昇すると信じて疑わないわけです。

   しかし実は相場はすでに天井を付けてしまっていたりします。ただ強気の罠にはまった投資家の買いで一旦は反発します。その結果は言うまでもありません。ほどなく戻り売りに押されて反落。しかし投資家は強気な見方をなかなか変えることができないため、損切りができません。そうやってずるずると時間が経過し、損失は拡大。やがて耐えられなくなって決済に至ります。これが強気の罠です。

弱気の罠とは

   一方、弱気の罠=ベアトラップはこれと逆のパターになりますが、もう一つパターンがあります。長らく下降相場(弱気相場)が続いているので、買いのチャンスをうかがっていたとします。しかし多少反発したくらいでは疑わしく、上昇相場へ転換したとは判断できません。そこで様子を見ていると相場はどんどん値を上げ、明らかに強気相場に。結局買いそびれてしまうというパターン。くれぐれもこの後に強気の罠にはまって二重に悔しい思いをしないようにしたいものです。

罠を避ける方法

   実際のところ、FXをやっていると強気の罠にも弱気の罠にもはまることでしょう。これを避けるには、あまり欲をかかず「頭と尻尾はくれてやれ」のスタイルで相場に望むことです。もしくは買いそびれたり売りそびれたりしたときは、潔く諦めることです。FXは株式相場と違って上昇相場でも下降相場でも儲けることができます。チャンスは無限にやって来るわけですから、あせる必要などさらさらありません。

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