ドルインデックスと金

   ドルと金(ゴールド)の価格は概ね逆相関の関係にあります。ドルレートが上昇する時は金価格が下落し、ドルレートが下落するときは金価格が上昇する傾向が見られるのです。ただし、ドルレートは、ドル円やユーロドルなどの特定の通貨ペアではなく、ドルの総合的価値を見る必要があります。これにはドルインデックスを用います。では実際にチャートで確認してみましょう。

   下図は2011年1月から2013年2月にかけての日足です。視覚的に捉えやすいように、金価格の目盛りを降順に反転して、順相関の動きになるように細工しました。日々の相関係数は0.5ほどでさほど高くはないのですが、両者の間には強い相関性のあることが見て理解できると思います。

ドルインデックスと金(日足)

   さらに長期の動きを確認してみましょう。下図は1980年1月から2012年12までの32年間の月末値です。これも金価格の目盛りを反転させたうえ、対数チャートにしています。金価格は長期で見ると物価の上昇を反映して水準が大きく切り上がっているのに対して、為替相場は通貨間の相対価値であるため、長期で見てもさほど水準は変動しません。そのため、対数目盛りによって視覚的に捉えやすくしたわけです。前置きが長くなりましたが、大きな流れを見ても、やはり両者の間には逆相関の関係が見て取れます。

ドルインデックスと金(月足)

   ではなぜドルと金は逆相関の関係にあるのでしょうか。これはドルがペーパーマネーの代表であり、金は実物資産の代表だからです。資産運用の世界において、ドルと金はシーソーの両側に乗っているようなものなのです。期待インフレ率信用収縮などでペーパーマネーへの信任が低下すれば、実物資産である金におかねが流入し、逆もまた真というわけです。

   もちろん、ドルや金には固有のファンダメンタルズがあり、いつも逆相関の関係が成り立つわけではありません。しかし、ドル相場の趨勢を考えるうえで、金価格の動向は重要な参考指標であることは間違いありません。上記の長期チャートを見ると、約〇年に及んだドル下落/金上昇の局面が終わり、次のサイクルが始まる可能性を示唆する形となっています。

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