FXでは損をする人の方が多いと聞いたことがあります。実際のところはどうなんでしょうか?
それは為替相場の状況次第です。大雑把に言うと、円高傾向が続くと「FXでは損をする人が多い」という評判が強くなり、円安傾向が続くと「FXは儲かるようだ」という評判が強くなります。なぜでしょうか。それには次に二つの理由が考えられます。
一つ目はスワップポイントの存在。FXをする人の中にはかなりの割合でスワップポイント狙いの人がいます。この人達は円高リスクを軽視しがちなので、円高トレンドのさなかではまず損をします。一方、うまく円安トレンドの乗れると、為替差益とスワップポイントの両方で大きく儲かります。例えば、2005年〜2007年頃は円安トレンドが続いたため、多くの人が高金利通貨に投資して利益をあげました。新聞紙上で一般市民の巨額脱税事件が注目を集めたころです(参考記事:FXの脱税事件)。
二つ目は買い方針に偏りがちということ。特に初心者は買いから入る傾向が強く、さらに基本は円がらみの通貨ペアなので、必然的に円高局面では損が、円安局面では利益が出ます。2007年にサブプライム問題が表面化して以降、2011年まで長く円高トレンドが続きましたから、「FXでは損をする人の方が多いと」という評判が定着しました。
しかし、日本経済の構造的変化(参考記事:長期的な円の需給関係)やアベノミクスで中長期的な円安トレンドへ転換した可能性があります。再び「FXは儲かるもの」という評判に替わるかもしれません。