移動平均の事例解説

   このページでは、チャートの事例を参照しながら、ここまで解説してきた移動平均の使い方を総合的に解説します。図の○印をつけたところが、新規注文をしかけるポイントの候補です。黄色と赤が売り、その他が買いの仕掛けですね。

移動平均

黄色のポイント

   ここはデッドクロスと価格が2本の移動平均を下抜ける動きが同時に起こっています。このようにいくつかのサインが重なると、信頼性はそれだけアップします。さらに高値水準がT1→T2→T3と徐々に下がってきており、下降局面に入っている可能性を示唆しています。

赤のポイント

   ここは次の理由から最高のチャンスです。

  • 2本の移動平均の位置関係…デッドクロスが起こってから日が浅く、相互の距離も近い
  • 移動平均の傾斜の変化…どちらも穏やかに下降へ転じている。
  • 価格の動き…前回の安値B1を今回の安値B2が下回っている。さらに支持帯を下抜けた後の戻り場面で、抵抗帯が上値を押さえている。

   価格が抵抗帯に押し返された時点で全てが下降方向でシンクロしており、売りを仕掛ける好機になります。

緑のポイント

   ここは三角もちあいからの放れが見られるので魅力的ですが、上に抵抗帯があるのが気になる局面です。もしより長期の移動平均が上向きであるなど、大勢として上昇基調と判断できるなら、仕掛けてもよいでしょう。

オレンジのポイント

   上値の抵抗帯を抜けた後の最初の押し目ですので注目です。ただ、長期線はまだ下降基調ですので、状況としてはまだ下値を拾いにいくのは躊躇される場面です。反発を確認してから出動しましょう。

青のポイント

   青は2本に移動平均がともに上昇基調であり、押し目買いの好機です。ただ、どこで下げ止まるか、あるいはそのまま下降に転じてしまうのかは分かりません。長期線を下値の目途として分散して買い下がる作戦も考えられますが、ここではそこまで下がらずに反転していますので、反発を確認した時点で出動となります。

だましへの準備

   以上は単純に移動平均だけによる判断ですが、実戦ではファンダメンタルズやその他のテクニカル分析をあわせて判断することになります。また、だましとなる可能性は常にありますので、損切りなどの出口ルールは必ず用意しておきましょう(参考記事:入口ルールと出口ルール)。

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