デッドクロス

デッドクロスとは

   デッドクロスはテクニカル分析の用語で、2本の移動平均が交差する現象のうち、短期線が長期線を上から下へ突き抜ける場合を言います(下図青丸の部分)。これに対して、下から上へ突き抜けるのをゴールデンクロス(赤丸の部分)といいます。一般的にデッドクロスは弱気相場のサインとされます。

デッドクロス

デッドクロスに基づいた売買

1.デッドクロスで仕掛ける

   相場が弱気入りしたことを示唆するデッドクロスですが、その出現に合わせて売り玉を建てるという戦略は、どの程度有効でしょうか。結論から言うと、大きなトレンドが出た時には有効ですが、そうでない時はうまく機能しません。特に相場がボックス圏で動いている局面では、逆に損失が膨らむ危険もあります。結局のところ、成果はトレンドの強さや規模に左右されますし、各移動平均の設定や組み合わせが相場にマッチしているかどうかにもよります。

   ある年に25日線と50日線の組み合わせでやったところすばしい成績だったけれど、次の年は散々だったということが起こりえます。他のテクニカル分析と同様に、デッドクロスもだましの危険は常にあります。実際に売買を行っている時点では有効な組み合わせかどうかは分かりませから、デッドクロスの出現に合わせて取引を行うのは、運次第だと言えるでしょう。

2.デッドクロスで方向性を判断する

   デッドクロスを仕掛けのタイミングに用いるのは確実性に欠けますが、相場のトレンドを判断するうえでは重要なサインになります。そもそも移動平均には遅行性があり、足元の相場よりも遅れが生じます。デッドクロスも相場が天井打ちした後で現れます。ダイバージェンスのように前兆を示すものではありません。

   ですから、デッドクロスはトレンドの反転を事後的に確認するサインと言え、売買方針を買いから売りへと転換する決め手として利用できます。そして、デッドクロスの次に反発した場面(あや戻し)で逆張りの売りを仕掛けるわけです。上図にもそうした例が見られます。相場の格言に「週足には逆らわず、日足には逆らえ」というものがありますが、同じ手法と言えるでしょう。

移動平均の設定

   上でも書いたように、有効な移動平均の設定や組み合わせは相場次第です。プロの投資家であれば、過去データを使って常にベストな組み合わせを探すという方法も取れますが、一般投資家はそうもいきません。そこである程度固定して、他のテクニカル分析やファンダメンタルズ分析と合わせて判断することになります。

   デッドクロスを見るために使われる代表的な移動平均は、分足、時間足、日足であれば10、25、50、75、100、200などの切りのいい数字、週足であれば13週、26週、52週(52週はほぼ1年に相当)などです。この中からデイトレードバイ&ホールドなど取引のスタイルに合わせて選べばよいでしょう。

移動平均以外のデッドクロス

   デッドクロスは一般的に移動平均線の交差を指しますが、それ以外のテクニカル分析にも応用できます。例えばストキャスティックのKラインとDラインのクロス、またMACDのベースラインとトリガーラインのクロスなどは一般的な手法です。さらには、RSIの二種類のラインでクロスを見るという手法もあります。2種類というのは、計算日数を変えることができる場合のほか、基本となるRSIに移動平均をつけられる場合があります。こうしたあまり一般的ではない分析手法を提供しているFX業者は少ないですが、ないこともありません。またデータが入手できる場合は、EXCELなどの計算ソフトで作成するという方法もあります。

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