オプション取引

オプション取引の概要

   オプション取引は金融派生商品の一つで、為替、債券、株式といった金融商品を特定の価格で買ったり売ったりする権利を売買する取引のこと。権利の売買なので、権利を行使すれば実際に買ったり売ったりすることができますし、権利を放棄してしまうこともできます。

   ちょっとややこしいので、オプション取引の簡単な例をあげて説明しましょう。ここにある輸出業者がいて、6ヶ月先に決済代金のドルを受け取ることになっているとします。しかしその時点でドル安円高が進んでいると、受け取ったドルを円に買えたときに今よりも手取り額は少なくなってしまいます。そこで、今の為替レートで円に替えられる権利を購入しておきます。もし円高になっていれば権利を行使し、円安になっていれば権利を行使せず、その時の時価で円に替えればよわけです。

   これだけだと輸出業者にとても都合よくできていることになりますが、権利には価格がつきます。権利を放棄する場合は、購入代金の分は損をすることになります。ですから、権利の価格と為替相場の予想を天秤にかけて、オプション取引を行うかどうかを決めるわけです。ただ、損をしても購入代金に限定されるので、そのへんが先物取引と異なるところです。一方、権利を売る側は代金が確実に入るかわりに損失は限定されません。なお、権利の売り手は主に銀行や証券会社など、買い手は実需筋と呼ばれる企業などですが、ヘッジ以外に投機的な取引でも盛んに用いられています。

FXのオプション取引

   FXを原資産としたオプション取引を扱っている業者もあります。ただ、大きく分けて2種類のオプション取引があるので注意が必要です。上述したような一般的なオプションをバニラオプションとかプレーンバニラといいますが(通常オプションと言えばバニラをさします)、このタイプを扱っている業者はせいぜい1〜2社です。一方、バニラオプションから派生した個性的なオプションをエキゾチックオプションといい、バイナリーオプションなどが該当します。このタイプを扱っている業者は何社かあります。

FXのバニラオプション

   FXのバニラオプション(以下FXオプション)では、買い手になることも売り手になることもできます。一般的にオプション取引では、個人投資家が売り手になることはできないケースが多いのですが、FXオプションでは可能です。また、権利行使期限の前でも転売や買い戻しができるので、途中で利益確定したり損切りしたりすることもできます。さらにFXと同様に自動ストップロスが適用されます。そのため、売り手になった場合でも、リスクは初めから限定されているわけです。

   FXオプションではオプション自体を売買するだけでなく、権利行使によってFXに建玉を持つこともできます。オプション取引はそれ自体で様々な取引を組み立てることができますが、FXと組み合わせることで、為替相場の多用な局面に対処することが可能になります。

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