スプレッドに関する注意点

   スプレッド(Spread)はFXを行ううえで取引コストに相当しますから、業者を選定するうえでとても重要な要素です。FXが日本で始まったころは、ドル/円で5銭〜7銭もあったスプレッドが、激しい縮小競争の結果、1銭にも満たないスプレッドを提示する業者も少なくありません。しかし、狭いスプレッドを謳う広告を鵜呑みにするのは危険。実際、金融先物取引業協会は2011年8月にスプレッド広告に関する規制を施行しています。裏を返せば、投資家保護のうえで問題となる広告が横行していたということです。

   広告規制が施行される前は、スプレッドの狭さを訴求する広告が百花繚乱という状況でした。とにかく一目瞭然で分かりやすい訴求点ですから、業者にとっては顧客を集めるうえで最も効果が高かったわけです。そうすると、中には行儀の悪いことをする業者も出てきます。例えば「スプレッドは最少0.5銭」という文句。実態としては、0.5銭なんて一日のうちでわずかしか出現しないにもかかわらず、です。そうした状況を見て、協会が細かいルールを作った結果、今では実態とかけ離れたスプレッド広告はさすがになくなったと思います(いつの時代も脱法的行為をする業者はいるので断定はできませんが)。

スプレッドが狭くなる時間帯

   スプレッドは生き物ですので常に変化していますが、その要因は主に取引量とボラティリティーです。まずは取引量について。取引量が多いとスプレッドは縮小します。ですので、ユーロ/ドルやドル/円などのメジャー通貨同士の組み合わせはもともと取引量が多いため、マイナー通貨のペアに比べてスプレッドは狭くなります。

   また、一日のうちでも取引量には差がありますので、スプレッドはそれに合わせて変わっていきます。一日の中で最も取引量が多くなるのはロンドン時間の午後。この時間は欧州市場と北米市場が同時に開いていますので、一日の中では最も活発に取引が行われます。ですから、スプレッドも東京時間などに比べると縮小します。短期売買を繰り返す手法の場合は、ロンドン時間に取引を行うほうが有利です。業者の側では、こうした実態を反映させているところもありますし、させていないところもあります。あるいは、同じ業者でもコースによって変えているところがあります。あなたが短期売買を志向していて、一日中スプレッドが同じというなら、一度他の業者と比較してみてもいいかもしれません。

重要イベントではスプレッドが拡大

   取引量の他にボラティリティーも重要な要因です。特に雇用統計のようなビッグイベントがある時はボラティリティーの上昇が見込まれるため、発表前からスプレッドは拡大傾向になります。腕に覚えのある投資家は、こうしたビッグイベントを取引の好機ととらえますが、初心者の方は避けたほうが無難です。ポジティブな内容だと思って買ったら、10分後には逆の方向へ急激な転換するというケースも往々にしてあります。重要な経済統計の発表スケジュールは事前にチェックしておきましょう。

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