FX業者の破綻事件

   FXを規制する法律が整備されるに伴って、ブラック業者は退場を余儀なくされましたが、めでたく金融庁の名簿に登録された業者の全てが、十分な法令遵守体制を構築していたかと言えば、そこは疑問の残るところでした。実際に、平成19年夏に起こった為替相場の急変(円の急騰)で、2社が破綻に追い込まれてしまいます。

   この年、米国のサブプライム問題(信用度の低い借り手に対する融資の焦げ付き)に対する市場の動揺を背景として、ドルと米国株が大きく値下がりしました。これが円キャリートレードの巻き戻しを誘い、円は主要通貨に対して急騰。8月16日には、116円台後半で始まったドル/円相場が、海外市場で一時111円台に突入するという暴落を演じます。その後は10月初旬にかけて118円付近まで戻りを見せましたが、11月にかけて再び急落商状となりました。

エフエックス札幌とアルファエフエックスの破綻

   この混乱で、一部の業者はカバー取引が機能しない事態に陥ったのです。まずエフエックス札幌が10月17日づけで、建玉を全て強制決済し取引も停止したと、顧客に通知しました。そして10月22日には、金融庁が業務停止命令を出しています。

   続いて、11月5日には、アルファエフエックスが突然ホームページと事務所を閉鎖し、役員の所在も分らない状態となりました。結局、11月9日、業務停止命令が出されました。両者は、カバー取引(というべきか自己取引というべきか)の失敗で、損失が膨らみ、債務超過となったものです。カバー取引の相手方の執行能力が低かったということもありますが、いずれにしてもリスク管理体制がなっていなかったということでしょう。業者を選ぶ際には、手数料の安さだけに目を奪われず、信頼性に十分の留意しないといけません。

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